子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 家族で入るなら貸切露天風呂が広くていいかも
子連れ家族のための温泉ポイント
京都観光のガイドブックには載っていないことが多い。それは湯の花温泉が京都市ではなく亀岡市だから。市の境はまたぐけれど、京都駅から亀岡駅まではJR嵯峨野線でたったの20分、嵯峨嵐山駅からならほんの10分だ。あとは亀岡駅から湯の花温泉までは車で15分だが、すみや亀峰菴は宿泊者及び日帰り温泉プラン利用者は無料で送迎してくれる。
そんなわけだから、京都が初めての観光客なら京都市内泊かもしれないが、リピーターにはお勧めなんですよとすみや亀峰菴は言う。確かに。マジで最近インバウンド客が多すぎて、京都市内の手ごろなホテルなんて全然空いてないからなぁ。
門は茅葺屋根。館内は洒落た中にノスタルジーを感じる和モダン。バスの運転手もフロント係りも仲居さんたちもみんな英語ペラッペラ。さすがは外国人に人気の京都の旅館だけある。
チェックインはフロントじゃなくて徒然文庫と名付けられたライブラリーで。正面の窓が広く、背中側は一面の本棚。暖炉とピアノもあって、この部屋でコンサートが開かれることもあるのだそうだ。
部屋は大きく分けて三種類。炬燵のあるスタンダードタイプの「山の庵」、部屋ごとにデザインが異なるラグジュアリーな「亀峰菴」、そして私が泊まった「山のテラス」。
「山のテラス」はランク的には「山の庵」と「亀峰菴」の中間なんだが、露天風呂付き客室なのにお手頃価格だということで、非常に人気が高いらしい。
部屋に一歩入った途端、広さとともにテラスの露天風呂が目に入る。部屋に温泉・・・いいよねぇ。もう好きなだけ入れる。
「亀峰菴」の客室付き露天風呂は掛け流しだが、「山のテラス」は違う。違うと言っても循環ではなく、自分でお湯を入れて自分で止める。出しっぱなしにすると勝手に止まる。そういうエコなシステムというだけ。入浴時にがんがん新しいお湯を入れるわけだから、下手な掛け流しより鮮度はいいだろう。
というわけで、早速お湯を出す。溜まるまでのそわそわする気分もまた楽し。蛇口は四つあり、それぞれ源泉と加熱源泉、水道水と加熱水道水。源泉温度は低いので、加熱した方を入れ、熱かったら少し非加熱を足すと良いようだ。
すみや亀峰菴で使っているお湯は共同源泉の湯の花温泉第三源泉。無色透明で、肌触りにはきしつきに加えて滑るような感触があり、ほんのりと沢水のようなにおいもある。循環していない部屋の露天風呂のお湯も、わずかに塩素消毒臭がするが、これは市の条例で源泉の供給元から消毒剤を投入していることによるもので、すみや亀峰菴ではどうすることもできないようだった。
湯上りは意外につるつる成分にコーティングされた感じになる。わずかなぺとつきとか、土類っぽい特徴も。よく温まり、のぼせたらバスタオルを巻いてテラスのチェアで涼むのが最高。バスローブもあるよ。至れり尽くせり。
部屋の温泉だけでなく、大浴場ももちろん入ってみた。内湯は正直少し古め。洗い場と普通の浴槽の他に打たせ湯がある。
露天風呂はちょうど梅の季節で白梅が見事、それは美しい観梅風呂になっていた。梅の花に遊びに来る小鳥もいて、眺めているだけで飽きない。女湯には桜の古木をくり抜いた丸木風呂も二つばかり。ここに入ってはらはら舞い落ちる梅の花を見ていると無性に泣きたくなる。そんな情緒がある。
さらに離れの貸切露天風呂がある。こちらは貸切料金が必要。私は入らず取材のために翌朝見学だけさせてもらったが、カップルには広すぎるぐらい。家族はもちろんグループで借りてもいいような立派な露天風呂だった。
こちらはもともと隣接する別の旅館の露天風呂だったのだが、廃業したのですみや亀峰菴が引き継いだということだ。どうも元々は湯の花温泉第二源泉が引かれていたようだが、今はすみや亀峰菴の他のお風呂と同様第三源泉になっている。ちなみに第一源泉は既に枯れているようで利用されていない。
食事はとにかくオーストリアワインとあわせた和食がとても美味しかった。おくどさん(竈)のあるダイニングルームも好評のよう。夕食・朝食に着いてはたびねすの記事に詳しく書いたので、良かったらそちらを読んでほしい⇒京都リピーター注目の穴場宿「湯の花温泉すみや亀峰菴」
宿の広報さんがおっしゃるには、桜が散って観光客が落ち着いた頃、新緑の季節が最もおすすめなのだそうだ。ぜひ仕事抜きに泊まりにいきたいね。