子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★★ 基本的に貸切なので
子連れ家族のための温泉ポイント
このころ一番泊まりたい宿だった。でも夫の好みではなさそうだし、煙草も吸えない(夫はヘビースモーカー)。行きたい気持ちは募るけど、一生泊まれないかもと半分諦めていた。
それとは別に私は宮崎県の温泉に入りたいと言い続けていて、それを元に九州周遊10日間の旅行計画が立ち上がった。フェリーで北九州・新門司港に上陸して、一泊目は熊本県で探せ…と?それはもうここしかないじゃない。
ちなみに「小国のオーベルジュ わいた館」をおすすめしてくれたのは植竹深雪さんで、今のところ彼女に教えてもらった温泉宿はどこも人に教えたくないほどの大当たりばかり。
とまあ、前振りはこのくらいにして、さっそく温泉の紹介に行こう…と思うところだが、あまりにも絵になるお風呂が多くお食事も凝っていることから、何をどう書いてよいものやら。とにかくお風呂を片っ端から紹介して、食事は基本的に写真での紹介にとどめる。
先に一言付け加えるとしたら、とにかく最高のところ。温泉も食事も環境も。
さて、「小国のオーベルジュわいた館」のお風呂は、露天を含む貸切風呂が4つ、湯あみ着着用を義務付けた混浴露天風呂が1つとなる。ただ、私が泊まった時は混浴露天風呂はお休みだったので、基本的に4つの貸切風呂を紹介する。
お風呂の種類は母屋の方から紹介すると、まず露天風呂の「天空の湯」、次に半露天風呂の「笹の湯」、内湯の「わいたの湯」、いったん外へ出て混浴露天風呂の「湯畑の湯」、一番奥の右手が露天風呂の「竹林の湯」、左手が同じく露天風呂の「寝湯」となっている。
「天空の湯」はこの宿を代表するお風呂だ。いやもう息をのむほど絶景で、しかもアートのようにお風呂そのものが美しい。おまけに遊び心まである。
入口にある木の台に「入浴中」のプレートを下げれば、宿泊者はこの「天空の湯」に何度入ってもいいが、一回に付き20分までという制限がある。
フラットな円形のお風呂で、床板が斜めなのが幾何学的。隣にもう一つ円形の水風呂らしいものがあるのだが、こちらは今は使っていないとのこと。でも水を抜くと乾燥して木が割れてしまうので、常に水を張っているとのお話だった。
面白いのは脱衣所の上の方にある窓を開けると、撮影スポットになること。雑誌の写真なんかはここから撮るんですよと宿の方に教えてもらった。
お湯の色は淡い水色。まるで空の青を映しこんだようだ。周辺にもくもくと湯けむりが上がっている様子が見える。源泉温度は高いのだが、お風呂のお湯は意外とぬるく、いつまでも入っていられそうだった。
強くないが焦げたマッチ臭がして、とろみを感じるほどにすべすべと肌の滑りがいい。メタケイ酸が多い源泉で、この手触りもいかにもそんな感じ。味はほどよくしょっぱ美味しいゆで卵味。
ぬるかった分、上がる時は少し寒く感じたが、少し経つと中からポカポカ。さらに指先などつるっつるになる。
ちなみに源泉は2本所有しているが、この時はうち1本が止まってしまい、全体的な湯量が減ったため混浴の湯畑の湯を一時的に足湯としていた。
しかしこの止まっている一本というのは源泉が枯れたとかそういうわけではなく、むしろ成分が濃いゆえに析出物で配管が詰まってしまい、一時的にお湯が流れなくなっているとのこと。
源泉温度が96.5度と高いので、蒸気造成泉か聞いてみたが、実際は蒸気とともに液体も湧いているそう。
お部屋も居心地がよく、食事にも大満足したが、お風呂が多すぎて一つところになかなかゆっくりと入れなかったのが心残り。それとのらちゃんとくろちゃんとちゃちゃちゃんという3匹の猫ちゃんがいるのだが、のらちゃんとくろちゃんにしか会えなかったのが残念。