箱根温泉郷芦之湯山形屋

子連れ家族のための温泉ポイント

箱根温泉郷芦之湯山形屋体験レポート

箱根の温泉だけどちょっと特殊なとこ。

以前は旅館…というか民宿を営業していて、現在はもう宿としては閉めている。けど、温泉だけは今も入れてもらえる。ありがたや。

入れると言っても通常の日帰り温泉とは異なる。私が行ったときも無人だったが、多くの場合、無人だけど料金箱に定められた料金を投入し、ルールに従って利用することになると思う。

場所は芦之湯で、以前から寄りたいと思っていたが、バスの本数を考えるとなかなかチャンスが来なかった。だいたい箱根に行くときは公共交通機関で、しかも仕事がらみでぎっちぎちにスケジュールが決まっていることが多かったから。

車で箱根に来る機会があってやっと寄れた。クローズしていたらとハラハラしたが、行ってみると「営業中」の札が出ていた。早速料金箱に二人分の料金を投入して浴室へ向かう。

なお玄関に本日のお湯の温度が掲示されていた。男湯44.8度、女湯44.6度。ちょい熱めだけど入れない温度じゃない。計測時間は午前6時。毎日きっちり計って掲示してくれるんだ。

館内は電気が付いていなかったのでどこか薄暗かった。使用後に消すなら付けていいのかもしれないけど、見えないわけじゃないから省エネと思って廊下などはそのまま進んだ。

脱衣所と浴室はそんなに広くない。だからあまり大勢で押し寄せるような場所じゃない。知っている人だけひっそりと寄る感じか。

お風呂の温度は思ったより熱かった。計ると45.6度で朝6時より高くなったようだ。入れるけど。

お湯はほぼ無色透明だが、少し離れて見ると薄く濁りがあるようにも見える。たまに綿毛状の白い湯の花。淡い硫化水素臭。手触りはすべすべ。

ちなみに浴室の片隅に瓶が置いてあり、この中に冷たい源泉が入っている。計るとこちらは26.5度だった。

瓶のお湯はご主人が毎日、源泉を汲んで冷ましているらしい。熱すぎる人はこの瓶から汲んだ冷めた源泉を混ぜればいい。

基本的にお風呂のお湯は入れるギリギリの熱さなので、水ではなく冷ました温泉なら薄まらずに温度を下げられるということ。このこだわりよ。丁寧で気遣いがある。ありがたいことこのうえなし（私はそのまま入ったけど）。

ともあれ源泉掛け流しでワンコイン500円で入浴できるというだけで、箱根エリアではまことに貴重なスポットでもあるかもしれない。感謝して入浴したい。