子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★☆☆ 泉質★★★★☆
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ 広間休憩室あり
子連れ家族のための温泉ポイント
何度も廃業するすると噂になっている温泉があるらしい。
「でもいい湯なんだよ。本当にいい温泉なんだよ」
「泣ける」
そんな風に聞かされて、温泉好きの仲間に連れてきてもらった箱根塔ノ沢にある共同浴場 上湯。
しとしとと降る雨の中、紅葉もぬれそぼって箱根湯本から徒歩で坂道を登ってくると、箱根というイメージにはそぐわないかもしれない鄙びた佇まい。
折り畳み傘を畳んでブーツをぬぐと、本当にシンプルな下駄箱が待っていた。
入浴料はワンコインの500円。
浴室の入り口の暖簾もなんとなく手作り感溢れている。
浴室も浴槽もシンプルな長方形でタイル造り。そこに無色透明な湯が注がれている。
共同浴場らしくシャンプーリンスの備付は無い。
少し熱めのお湯はきりっとした印象で、肌触りもきしつく。においはほとんどない。
少し入っているとすぐに温まり、肌がすべすべしてくるのが判る。
共同浴場だが湯がどぼどぼと注がれているわけではなく、脱衣所に「湯量が少ない為、上がり湯の持ち帰りは固くお断りします」と張り紙がある。
こんなところも存続に苦労する所以なのか。
500円だがちゃんと二階に広間休憩室がついている。
窓からは道越しに鮮やかな紅葉が見えた。
この紅葉が見える窓とは反対側に、もう一つ部屋があり、そこから施設の裏手が見えるのだが、まず正面に温泉櫓、そして気になるのは小さなケーブルカーの線路らしきものだ。
裏手で湧いている湯量が少ないので、斜面の上からも引いてくるらしい。あのケーブルカーの先か。
一応上湯大衆浴場には駐車場もあるのだ。
湯量は少し心配だけれども、いつまでも地元の人や温泉好きに愛される共同浴場として残ってほしい。
設備は簡素だが箱根で500円で入らせてもらえる日帰り温泉は貴重だよ。