子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 温度は適温、泉質は塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★☆☆☆☆ 館内はバリアフリーを意識した作り
子連れ家族のための温泉ポイント
小五浦、大五浦、椿磯、中磯、端磯の五つの磯浦を持つことからこの地を五浦(いづら)と呼ぶ。
日本の美術史にその名を残す芸術家にして教育者でもある岡倉天心が五浦海岸の広大な敷地に居を構えたことから、海岸近くに建つ日帰り温泉の名は天心乃湯と名付けられた。
なお、天心旧邸、六角堂といった当時の岡倉天心関連の史跡は、現在は茨城大学五浦美術文化研究所の施設として利用されていて、一般にも広く公開されている。
福島の水族館アクアマリンふくしまで遊んだ帰り、五浦観光ホテルに立ち寄り入浴をお願いしようと思って海岸線に沿って茨城まで南下してきたのだが、あいにくとホテルが混雑していたので急遽途中で目に付いた日帰り温泉 天心乃湯に車を入れることにした。
なんとなく外観の印象はありきたり。海岸の近くとは言え、海岸沿いに建っているわけではないので展望は期待できなさそうだ。
さて天心乃湯の入館料は、土日祝日なら大人1,000円、子供500円のところ(高い!)、今日は平日だったので大人800円、子供400円だった(それでも安くない)。
しかもちょうど4時を回ったところだったので夕方の割引料金になって大人600円、子供300円(やっと許せる金額に)、おまけに夏休み期間中はキャンペーンでお子さま無料(やったー)。
というわけで家族四人で1,200円で利用させてもらえた。
浴室は二階。
何故か男湯と女湯の入り口は並行でも対角線上でもなく90度の角度で並んでいたので、うっかり出るときに出口じゃなくて男湯の入り口に入っちゃいそうだ。
幸い、浴室は駐車場ほどには混んでいなかった。
内湯と露天風呂が三ヶ所。どちらも1~2人程度の先客。
浴室には取りたてて工夫は見られない。
頭上で桶をひっくり返すタイプのシャワーは桶が取り外されて使えなくなっていた。
本来なら結構高い料金を取る割に、シャンプーもただのリンスインシャンプー。
お風呂は「63.4℃ の源泉を全浴槽へ給湯しています」とあるけれど、これも掛け流しにしているというわけではなく、全ての浴槽に温泉を入れてます(水道水の沸かし湯だけの浴槽はありません)という意味らしい。
ただ、温泉自体は悪くないと思う。
はっきりした磯海苔の臭いがする。少し油系の臭いもあるし塩っぽさもあって湯はしっかり自己主張している。もちろん薄く塩素の臭いもあるが。
露天風呂は浴室の二方についていて、ひとつはシンプルなお風呂(源泉の露天風呂といった紛らわしい名前を付けてある。またまたこれは他の混ぜものをしていないという意味らしい)だけ。
もうひとつは昆布湯と、さらに奥に白泥湯というものがある。
昆布湯は女湯のみで、この辺りの海で採れる昆布を入れてある。といっても湯船にゆらゆら浮いているわけではなくて簀の子状の箱に入っているから実物は見えない。要は天然の昆布出汁が出ている温泉浴槽というところ。
昆布から出るぬるぬるねばねばのアルギン酸ナトリウムがお肌を健やかに保つとかなんとか。
白泥湯はこの温泉の目玉のようだ。
北茨城市で産出する蛙目粘土を温泉に混ぜ込んでいる。蛙目粘土の主成分は磁器や紙の原料とされるカオリナイトで高血圧・関節痛・美肌に効果ありとのうたい文句。
元々の温泉の海苔の臭いプラス粘土の臭い? というかこの浴槽だけ塩素の臭いも強い。
粘土には吸着する性質があるから確かに美肌には良さそう。温泉と言うより入浴剤のつもりで楽しむには面白そうだが、子どもたちがあまり泥の感触を嫌がるので早々に上がってしまった。
先客のおばさんは子どもたちの反応が可笑しかったらしくずっと笑っていた。
白泥湯の泥が他のお風呂に入らないように、ここだけ専用のシャワーが付いている。
これら露天風呂は全て、まるっきり展望がない。
この他にも天然ラジウム鉱石を置いてあるラジウム・オンドルサウナなどもあるが、専用のガウンを有料でレンタルしないと使えない。
ガラスからのぞいたら、若い女性が一人ガウンをまとって横になっていた。
最近思うことに、こんなことがある。日帰り温泉でお湯の良いところは混むが、お湯が良くなくても混む。だから日帰り温泉で空いているところっていうのは、料金が高いか立地条件が悪いのだ。