子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ 泉質は金の湯は濃いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 子連れでも楽しめるテーマパーク温泉
子連れ家族のための温泉ポイント
最初に思ったのは「高い!」という一言だった。有馬温泉太閤の湯は大人一人2,400円(平日料金)って、いくら豪華とはいえお風呂に入るだけで高すぎないか?
しかし調べるとこれが、乗車券がセットになったクーポンチケットを買うとやけにお得なのだ。神鉄沿線から乗ると往復の乗車券付きで2,320円と普通に温泉に入ったより安くなる。自分たちは有馬温泉宿泊だから電車の乗車券としては片道しか使えないけど、それでも安いはず。さらに有馬温泉の土産物屋やロープウェイの乗車券も割引になるから、買って損はないはず。結局そう思って、私は太閤の湯入館券と近隣の鉄道の一日乗車券付きクーポン券を購入した。
その日の午前中は北野の異人館などを観光。午後3時ちょっと前、ようやく太閤の湯に向けて出発した。ここは阪神阪急第一ホテルグループの有馬ビューホテルうららに併設された日帰り温泉だ。有馬ビューホテル宿泊者は無料で利用できる。
息を切らせながら着いた場所は有馬ビューホテルの入口で、何だかわりと閑散としていて、太閤の湯はどこだろうときょろきょろしてしまった。各鉄道経由であれだけ大きく割引クーポンのキャンペーンをしているなら、もっと日帰り温泉の太閤の湯をどーんと表に出していると思ったのに。
どうも有馬ビューホテルの横を通ってその奥にあるらしい。その通路も幟はいっぱい立っているものの、やっぱり裏道のような雰囲気。たぶん温泉街から徒歩で来る人をあまり重要視していないのかも。
通路を抜けると太閤の湯の正面玄関があった。利用客の多くは自家用車で来るのかと思っていたが、どうもそうではなくて観光バスを横付けにするパターンが多いのかもしれない。帰りがけには中国系のツアー客とおぼしい団体がバスからどっと降りてくるのを見たから。
受付も豪華そう。並べるようにテープが貼ってあったが、今は誰も並んでいない。鉄道の自動改札で使ってきたチケットを出すと更衣室の鍵と館内着を渡された。岩盤浴はどうされますか?と聞かれたが断った。しかし問題はこれからだった。
受付で教えてもらった更衣室に行って服を脱いでタオルを持ってうろうろしたが、浴室のドアが見つからない。なんで?なんでなんだ?焦った自分に通りすがりの人が教えてくれる。ここは更衣室であって脱衣所じゃないよって。
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なんとこの有馬温泉太閤の湯では、脱衣所(兼更衣室)で服を脱いで浴室に行くのではなく、更衣室で館内着に着替えて、そこからわざわざワンフロアー下の脱衣所に移動して、そこで館内着を脱いで浴室に入るというシステムだったのだ。
こんな面倒くさいの初めてだし、そもそもなんの意味があるんだ?
まあ、経営側からしたら何か意味があるのかもしれない。特に館内着で食事したり休憩したりしてほしいって思っているならね。でもここ、基本は日帰り温泉なんだし、お風呂に入ることだけを目的としていた自分には、いらん二重手間にしか思えなくてびっくりしてしまった。なんなんだよー、これ。
更衣室と比べたら脱衣所は狭かったが、浴室はきんきらきんだった。ほー。
この「やりすぎ感」はわりと好き。太閤秀吉をイメージしたのか銀泉のくつろぎの湯と金銀混合泉の天下の湯の間に黄金の茶室ならぬ黄金の蒸し風呂がある。面白い。めっちゃ成金趣味。
ところで私は有馬温泉に入るのは初めてなんだけど、有馬温泉には金泉と銀泉という二種類の温泉がある。金泉というのは日本で最も濃厚な温泉で、赤茶色、銀泉はの方は無色透明。特に有馬温泉に来たら絶対に金泉だけは外せないと思っていた。
さらに階段を上ると露天風呂もある。露天風呂もなんというか派手派手。お風呂が何種類もあって、さらに結構大勢の人が入っていて、その様子が何だか本当に時代劇っぽいというか、高級感は無いんだけど、面白い雰囲気になっていた。
特に天幕みたいなところがあって、のぞいたら中は岩盤足湯になっていて、とにかく正面がまぶしいくらいにキンキラ。もう笑っちゃう。
露天風呂には小さいながら一応単独金泉の浴槽もあった。ひととおり回った後はそこに入っていたかな。一番人気は奥の人工炭酸泉で、そんなに金泉は混んでいなかったから。
お湯は金泉も銀泉もどちらも肌触りはまったく滑らずきっしきし。金泉の色は金というより赤茶色の土のよう、まるっきり透明度が無い濁りの強いもの。一番おもしろかったのは金泉の浴槽に入った後、体に残った水滴があまりにも濃くて、乾くとそのまま肌に色が残ること。水滴の形にまだらに色がつく。本当に濃いんだね、有馬の金泉は。
お湯のにおいに関しては、掛け流し表示のある金泉単独の浴槽も含めて全体的に消毒臭がしていた。
結論としては、テーマパーク温泉としては楽しめると思う。入館料ははっきり言って高いが、神戸からの近さや他に競合する施設が無いことを考えるとしょうがないのかもしれない。そして、お湯としては別の所に入った方がいいんだろう。実際、翌朝公衆浴場の金の湯に入って満足した。
行きは直射日光に炙られて急坂を登るのは辛かったが、帰りの下りはあっという間。でも目的地の観光案内所はうっかり通り過ぎて戻る羽目になった。