有馬温泉 亀の井ホテル有馬

金泉の自家源泉所有のホテル

  • 所在地 兵庫県神戸市北区有馬町1617-1 TEL 078-904-0951
  • 泉質 含鉄―ナトリウム―塩化物・強塩高温泉(高張性中性高温泉) 源泉名:愛宕山泉源
  • 日帰り入浴営業時間 11:00~16:00(15:00受付終了)
  • 入浴料 平日 大人800円、子供(6歳以上12歳未満)400円、土日祝日 大人1,000円、子供700円
  • 設備等 男女別内湯など
  • 公式サイトURL https://kamenoi-hotels.com/arima/
  • ※取材で撮影させていただいた画像を含みます
[2022年8月のデータ ただし日帰り入浴料金・受付時間等は2023年11月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★☆☆☆ 塩分が濃いので長湯に注意
  • 設備★★★★★ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベビーベッドあり

有馬温泉 亀の井ホテル有馬 体験レポート

亀の井ホテル有馬

日本で一番濃い温泉は兵庫県の有馬温泉の金泉。濃いだけでなく、日本三大温泉、日本三古湯、日本三薬湯の全てにランクインするここは、知名度、歴史ともに温泉地としては他の追随を許さない王者的存在。

亀の井ホテル有馬の外観

その有馬温泉の中でも、金泉、自噴泉、そして自家源泉という条件を満たしているのが唯一こちらの「亀の井ホテル有馬」で、以前はかんぽの宿だったところだ。かんぽの宿から亀の井ホテルにリブランドしたタイミングで取材に伺う機会があった。だから、この記事で使っている写真も取材時に特別に撮らせていただいたものが混ざっている。

亀の井ホテル有馬の源泉の泉源
3階からこの泉源が窓越しに見られる。この建物との距離には驚くほかない。

この宿の温泉で驚くことの一つは源泉の近さだ。本当に建物のすぐ横で湧いている。つまり湧出地とお風呂との距離もめっちゃ近いということ。この泉源は3階から誰でも窓越しに見ることができる(湧いているのは300m下)。

有馬温泉の泉源(愛宕山泉源)
泉源を反対側から(こちらは通常は立ち入り禁止、取材で特別に立ち入らせてもらった)

海水濃度の約1.3倍あるという源泉は、とにかく配管泣かせ。パイプがすぐに詰まり、頻繁に交換する。泉源の近くには交換用のパイプが詰んである。詰まってくるとパイプの重さは二倍ぐらいになってしまうそう。

亀の井ホテル有馬の温泉のパイプが詰まる
パイプの詰まりやすさがわかる
析出物の詰まったパイプ
温泉が通るパイプはこんな感じになる
温泉のパイプの輪切り
輪切りにするとこう
温泉の配管パイプの予備
すぐに詰まってしまうので、予備のパイプがこんなに用意されている。

湧きたての源泉を味見させてもらったが、ものすごい濃さ。強い金属臭と猛烈なしょっぱさ、苦さ。まさに薬かと。

亀の井ホテル有馬の湧き立て源泉
湧きたての源泉、空気に触れる前は透明、そして激熱

この貴重な温泉を守り、メンテナンスしているのは湯守の田中さん。彼の知識と経験と熱意あっての現在の亀の井ホテル有馬の温泉だ。彼、または助手が毎日お湯の状態と浸透圧のチェックを行っている。

亀の井ホテル有馬の脱衣所
浴室の脱衣所

阪神大震災時はこのオレンジ色のお湯が白濁したというお話も聞いた。カルシウム分が揺さぶられて出てきたのだろうというお話。

亀の井ホテル有馬の温泉
空気に触れた後の温泉(奥の浴槽)の色は鉄分が酸化して茶色い

ところでこの温泉にも悩みがある。濃すぎるのも特徴だが、温度も非常に高い。有馬温泉に高温の温泉が湧く理由は未だ謎に包まれているが、ともあれ亀の井ホテルの自家源泉「愛宕山泉源」は96.6度もある。沸騰しそうなレベル。

亀の井ホテル有馬の洗い場
洗い場、取材チームがちょっと鏡に写ってしまったかも

なので今度はこの温度を人が入れる適温まで下げなくてはならない。簡単なのは冷水を足すことだが、「亀の井ホテル有馬」では、まず泉源から数メートル密閉しない樋に流し、少しでも自然に温度が下がるようにする。さらに湯量を絞る。これで最低限の加水で済む。

亀の井ホテル有馬の源泉掛け流し
湯口、なお加水はしているが循環・消毒なしの源泉掛け流し

しかし裏を返せば、せっかく近くで湧いているのに空気に触れさせて劣化させ、せっかく濃いのに加水してしまうのかという気持ちも否めない。でもそこは田中さん曰く、万人に入りやすいお風呂にすることが良いのだと。

樋を流れる温泉
こちらは泉源から伸びた樋を流れるお湯。浴槽より酸化していないので色が少し違う

田中さんのお話は全てとても有意義なものであったが、やはりこの点だけは「勿体ない」と言わざるを得ない。

亀の井ホテル有馬の析出物
浴槽の縁の析出物

源泉に触れさせて味見させてもらった身としては、浴槽内のお湯を比較すると、あの強い金属臭はかなり飛んでしまい、しょっぱさも弱くなっている。もちろんこれでも、源泉そのもののパワーを知らなければ、じゅうぶん濃くて新鮮なお湯に感じられるのだが。

亀の井ホテル有馬のロビー
ロビー

お湯の色は人が入ると濁りが巻き上げられてオレンジ色になることもあるというが、入った時は茶色を薄めたような色だった。

亀の井ホテル有馬の和室ツイン
亀の井ホテル有馬の和室ツイン
亀の井ホテル有馬のスタンダードツイン
スタンダードツイン

このほかに、源泉では金属のにおいの下に押し込められていた油っぽいにおいがし、少しすべすべする肌触りがある。

亀の井ホテル有馬の夕食
神戸牛が自慢の夕食
神戸牛

この源泉をわが子のように気に掛ける湯守の田中さんの気持ちがひしひしと伝わるような取材だった。本当にありがたく貴重な機会だった。

亀の井ホテル有馬のお湯
お湯の状況を自ら確認する湯守の田中さん

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