子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★☆☆ 泉質★★★★☆ 露天風呂はとても熱い、内湯は気持ち熱め程度
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
北海道の観光ランキングでも行ってみたい場所と言うと世界遺産や離島の名が挙げられるが、行って良かった場所と言うと、函館と函館近郊の湯の川温泉がそれぞれランキング上位に入ってくる。
それだけ行きやすく、満足度が高いという結果なのだろう。確かにアクセスしやすい。場所は函館空港と函館中心部の間。空港からはシャトルバスやタクシーで5分、函館駅までは路面電車や路線バスで15分程度。
湯の川温泉に泊まって函館観光というのは定番だ。
室町時代に発見されたという伝承を持つ湯の川温泉は当初ぬるい湯しか出ていなかったが、かの箱館戦争において旧幕府軍を率いた榎本武揚は蘭学の心得もありその化学的知識を持ってか、深く掘れば熱い湯が大量に湧出すると発言し、その言葉を信じた石川藤助がついに高温の源泉を掘り当てた。
20数軒ある湯の川温泉で私がまるせんを選んだのは、宿泊料がリーズナブルだったということもあるが、温泉の評判が良かったというのが一番大きい。
湯の川温泉は一部、赤い湯で有名な宿や自家源泉を持っているところもあるが、そのほとんどは市営の集中源泉を使用している。ここ、まるせんも集中源泉ではあるが、源泉から距離的に最も近い宿であり、かつ湯遣いにはかなり自信を持っている。温泉を大事にしている。
そういった意味でとても良い宿だと思う。
かなりお勧め。
浴室に入って最初に目についたのは洗い場の椅子。何故か石のベンチになっている。
浴槽は四角い大きなものが二つで温度を変えてある。
入り口に近いほうはかなり熱かったので、先に遠いほうに入って体を慣らしてから熱いほうに入ることにした。
ほんのり磯の臭いがする無色透明のお湯。
湯口は析出物がもこもこと固まって、なにかモンスターの手のようになっている。
肌触りはきしきしと引っかかる感じで、少し乾くとぺとりとしてくる。
そして湯上がりはものすごくさらさら。パウダーをはたいたよう。
午前中に入った函館大沼プリンスホテル(源泉湯口)のデトックス系美肌湯を経て、夜は湯の川温泉まるせんのコーティング系美肌湯のはしご、これはやばすぎ。10歳ぐらい若返るかも。
露天風呂は浴室の隅にあるドアを出ればすぐ足元にある。
ただし何故かそのドアにたどり着くためにはじゃぶじゃぶと浴槽の中を歩いて行かなくちゃならない。
そしてドアを開けると展望のない小ぢんまりとした岩風呂。
しかしこの露天風呂を侮ってはならない。
湯の川温泉の源泉は60度あるのだが、源泉から近いこの宿で浴槽サイズに対して最も投入量が多いのがこの露天風呂なのだ。増してまるせんは安易な加水をしない。自然に冷めるに任せる主義の宿だ。
当然激熱。
あまりに熱いのでたぶんほとんど人が入らない。
悩んだが洗面器でひたすら湯もみして、湯口の正面は諦めてサイドから何とか入浴した。
まるせんには二泊したのだが、最終日の朝風呂でようやく攻略できた次第。本当に熱かった。
さて、まるせんにはお風呂の他にもお勧めがある。
それは旅館に併設されたカフェまるせん。
和の中にちょっとレトロな洋風が混ざった洒落た店で、お茶やケーキ、うどんなどの他、美味しいそば粉のガレットなどが食べられる。
そしてここの売りはなんといっても温泉パン。温泉の熱を利用して発酵させたオリジナルメニュー。
ただしこの温泉パンはランチに合わせて焼き、午後には売り切れてしまうことが多いので、もし夕食などで食べたければ朝のうちにお願いして取っておいてもらった方がいい。
本当は焼き立てが食べられればそれが一番だが。