子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 湯温は適温、泉質は特に刺激なし
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★★ 露天風呂の脱衣所は吹きさらしで赤ちゃん連れは辛いかも
子連れ家族のための温泉ポイント
六合村と書いて「くに村」と読む。
古事記・日本書紀に六合(くに)の記述がみえる。それを受けて明治三十三年に入山、小雨、太子、日影、赤岩、生須の六つの大字をあわせて、六合村と称した。
村は白砂川に沿った白砂渓谷ライン国道405号線を中心に広がり、長野や新潟の県境に接している。
この国道沿いの道を尻焼温泉方面に向かって通り過ぎるたびに、川の対岸に見える赤い屋根の温泉宿が気になっていた。
にも関わらずなかなか行かれずにいたのは、駐車場から徒歩でないとアクセスできないことと、立ち寄り入浴時間がたったの3時間と非常に短いことという二つの理由によるものだった。幼児連れだとどうしても歩かなくても良い温泉に行きがちだ。
湯の平(ゆのたいら)温泉にほど近い「道の駅くに」の隣に、野反ライン山口という食事処がある。イノシシ焼肉の美味しいこの店は我が家のお気に入りで、このときも昼食をここで取っていた。
窓から見える青空に、急に露天風呂に入りたくなり野反ライン山口で相談したところ、駐車場のインターホンで相談すればその場で立ち寄り入浴が可能かどうか教えてもらえる。受付時間を過ぎていても大丈夫だろうと伺い、早速向かうことにした。
湯の平の駐車場に着いて、教えられた通り一角にあるインターホンで確認すると、今日の日帰り入浴時間は過ぎているが、どうぞお入り下さいというありがたいお言葉。但し、露天風呂までは徒歩7分だそうだ。
歩きやすいが狭い、コンクリで固めた道が、ところどころ階段状になって谷底へ続いている。
左手へカーブすると、眼下にエメラルドグリーンの半分凍りついた白砂川。
やがて対岸に渡るための赤い吊り橋と、谷底の川岸に建てられた湯小屋が見えてきた。
遠めで見る感じ、川沿いのお風呂は秋田の大湯温泉阿部旅館にどことなく雰囲気が似ている。
吊り橋を渡ると、分かれ道。右手が旅館で左手が露天風呂への近道らしい。パパは料金を払いに旅館棟へ一人で行ってくるから、先に子供たちを連れてお風呂に下りていてくれと言った。
今朝の尻焼温泉に続き、今回もまた貸切状態だ。
誰も先客がいない。
脱衣所は屋根がついて木の床は一段高くなっているが、吹きさらしで脱衣籠があるだけ。
お風呂は男湯はひとつだが、女湯は二つに分かれている。
ちょっと熱めで、川がよく見える。今日の露天風呂はどちらも湯船から立ち上がらなくてもそのまま雪の積もった渓流が手に取るように見える。
無色透明熱めでも、湯の平温泉のお湯は今朝の尻焼温泉とはまったく似ていない。
肌触りきしきしで、薬っぽい臭い…焦げたような漆喰のような…石膏像の並ぶ美術室に足を踏み入れたような臭いだ。
女湯だけ飲泉用のコップがあったので、飲んでみれば舌に引っかかるようなテクスチャーで少し苦い。石膏泉苦味ストレート。
頭上は染みひとつ無い青空。谷底の日は短い。今まさに崖の上に太陽が沈むところ。
見下ろせば碧の流れ。そして雪また雪。
絶景だなぁ。
独り占めしていていいのかなぁ…。
このままずうっと入っていたいなぁ…。
温まり度は昨日の四万や今朝の尻焼ほど即効性が無く、のぼせるが出るとちょっとひんやりする。もちろん時間が経てばすごく温まっていることが判るが。
それより何より、特筆もののすべすべ度。さらさらすべすべいい気持ち。
女湯のすぐ隣に源泉井戸がある。中は覗けないが、源泉と浴槽が近いというのはいいね。
帰り道は案の定、次女が疲れた、歩けないと言い出した。騙し騙し自力で登らせる。抱っこ抱っこと言ったけど、聞く耳持たず。
駐車場に戻ると、野反ライン山口のご主人がいらした。
「入れましたよ、いい湯でした」
「そうかい、そうかい」