子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 湯温は適温、泉質は特に問題なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所にマットを敷いた台があって赤ちゃんの着替えに使いやすい
子連れ家族のための温泉ポイント
実はこの温泉は虚空蔵菩薩様のめぐみなのだ。
神様や仏様のご利益でお湯が湧いた伝説は各地に存在するが、この民宿休み石の温泉はほんのつい最近、10年ちょっと前に発見されたばかり。まさか平成の世に生まれた虚空蔵菩薩の伝説があるとは信じがたいかもしれない。でも現代にも不思議なことはあるものだね。
発端は井戸水が使えなくなったことだった。
もともとこのあたりは水脈が二本通っており、その水を汲みあげて生活に使用していたのだが、自治体が耕地整備を行ったところ二本とも濁って用水として使えなくなってしまった。
そこで業者を頼み25mも掘れば川底だから水が出るだろうと掘りはじめたら、これが145m掘ってもさっぱり出ない。
仕方なく神頼みで、まず天神様にお参りに行ったが効果は無かった。
その後、今度は山の上(休み石から坂を登った方にある)の虚空蔵菩薩にお酒一升捧げて祈るとあら不思議、何も出なかった新しい井戸から水が出た。
話はこれで終わらない。水が出てから一週間ほど留守にしたところ、戻ってみたら温泉になっていた。嘘のような本当の話。
温泉としては新しいからか、場所がマイナーだからなのか、この宮山温泉民宿休み石はまだあまり知られていない。日帰り入浴は受け付けていないが宿泊料もお手頃。名物料理はもつ鍋で、その味付けを聞いてもヒミツと言われてしまう。近隣ではランチの会食会場としても使われているようだ。
お湯は冷鉱泉で温度が低い分加熱しているが、循環せず源泉掛け流しで浴槽に注ぎ込んでいる。
無色透明に見えるが、特筆すべきはトロットロの肌触り。にゅるにゅるするお湯とはまた違うタイプで、お湯の中で腕などに触れようとすると、まるで薄くジェルをぬってあるような感触が楽しめる。重曹成分が効いているらしい。いわゆる美人の湯系だ。こういう手触りはとても好きなので、思わずいつまでも触っていたいと思ってしまう。。
においは特に無く、ほのしょっぱい味。
ちょっとお湯から出た時にぺとつく感じはくるが、温まるのにさわやかなお湯。
まさにこんなところに良い湯があったのかという感じ。
ちなみに入浴は夜は10時まで。湯桶はケロリン桶。備え付けのシャンプーは馬油。男湯は女湯とデザインは同じで少し広かった。
民宿なので部屋は飾り気も無くシンプル。トイレは共同で、清潔だがトイレの間取り、というかドアだけは変わっていて、最初はなんでこんな作りにと思って笑ってしまった。
最後に民宿の名前になっている「休み石」だが、実際にそういう石があるのだ。以前は民宿休み石のすぐ目の前にあったが、今は道路を通すために移動させられて徒歩数分の場所に設置されている。
この地方に伝わる民話では、天文5年に上野国白井城主の白井伊玄入道が落ち延びるときに腰を下ろして休んだとされている石だ。
この逸話から地名も休み石となり、こちらの民宿もまた、一休みできる憩いの場であるようにと宿泊客をもてなしてくれる。