子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★★ 湯温はぬるめ、泉質は特に刺激なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ ベビーベッドは無いが休憩室あり、露天風呂は浅く温く赤ちゃん連れにグッド
子連れ家族のための温泉ポイント
上増田には松井田町指定天然記念物の木馬瀬(ちませ)の福寿草自生地がある。言い伝えでは、司馬遼太郎が明治の父と呼んだ幕末の勘定奉行にして遣米使節小栗上野介が、この地に幕府再興の軍資金を埋め、その小判が福寿草となって大地にあらわれるとされている。
思えば上増田のある県道33号線を松井田妙義IC方面から北上すると、くらぶち相間川温泉の先で小栗上野介顕彰慰霊碑を見た。幕末の偉人小栗上野介は倉渕村の烏川で無実の罪で斬首された。
砦乃湯は砦の釣堀に湧いている温泉だ。
温泉としては新しく、平成11年に湧き、14年にリニューアルして露天風呂も新設された。
この辺り、地図で見てもそれほど道は入り組んでいないのに妙にわかりにくい場所にある。
県道は上増田のところで右に急カーブを描く。地図で言うと地蔵峠の手前、長野新幹線のトンネルと交差する手前辺りだ。そのカーブに沿って右に曲がらず、細い道を直進すると、見通しの悪い狭い道はやがて川沿いに出る。右手に橋があるがそれを渡らず更に直進すると、砦乃湯が見える。
それにしても途中に「湯」の看板の一つもないあたり、潔いというのだろうか、知らない人はまずやってこない感じだ。
ガイドブックに10時からとあったが、9時半なのに入り口に既に営業中の布が下がっている。もう入れるのかな? ちょうど忙しそうに出てきたお姉さんに聞いてみると、やっぱり温泉は10時からで、営業中の布は営業日であれば時間に関わり無く下げているのだそうだ。
ドアを開けて、フロントで聞いてみる。駄目もとだ。
フロントの男性が、すぐに浴室を確認しに行ってくださった。
「大丈夫ですよ、どうぞ」
営業時間の30分前なのに、一番風呂に入れていただけることになった。なんて有難いのだろう。
脱衣所は狭い。ベビーベッドなどは無いが、脱衣籠が大きいタイプなので、ここにタオルを敷くと赤ちゃん連れもいいかもしれない。
内湯は柔らかいオイル臭のようなものが充満している。どぼどぼとぬるめの源泉が注がれ、縁を洗い流して掛け流されていく。色は薄い黄褐色。湯口の辺りでは金物っぽい臭いもする。
泡がつくかなと期待したが、泡はそれほどつかなかった。ほんの気持ち程度。
味は、うーん炭酸だという感じ。でもしゅわしゅわ感は無い。何ともいえない甘みがある。割りと美味しい。
露天風呂は加熱した源泉を注いでいるようだ。臭いは少し薄い気がするが浴槽の温度は内湯と変わらない。底が平でかなり浅いので、小さい子供でも大丈夫。
川沿いなのだが、囲われていて川は見えない。女湯は八重桜が一本あって、このゴールデンウィークがちょうど見ごろのようだ。
とにかくしばらく入っていると、非常に肌がすべすべする。このすべすべ感はくせになる。とってもいい感触だ。温度も温いのにとても温まる。
板張りの休憩室もある。
冷水はセルフサービス。元々ビールの入っていた4リットル缶に水を入れている。子供たちも自分で水が出せるので大喜び。
とにかくこの施設の方にはとてもよくしていただいた。
お湯も最高なので非常にお勧め。判りにくい場所にある分、到達したときの喜びは大きいかもしれない。