子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★☆☆ 湯温はぬるめ、泉質は特に刺激なし
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★☆ 赤ちゃん向けの設備は特に無い
子連れ家族のための温泉ポイント
赤城山麓の滝沢温泉は2003年にも来たことがある。もう12年も前のことか。子供も大きくなるはずだ。
駐車場周辺にも雪があり、滑らないよう注意して歩いた。
建物の外観は山の中の宿にしてはこざっぱりとして見える。玄関から中に入ると華美では無いが品の良さが感じられる。
早速ぞろぞろと露天風呂へ。
露天風呂は玄関から見て左手に独立した湯小屋が見えたがそちららしい。サンダルに履き替えて階段を下りる。
まだ誰もいないということで、先に男湯を見学させてもらう。
川沿いの露天風呂は岩風呂になっていて、何色といったらいいんだろう、少し黄色っぽいオリーブグリーンの濁り湯。ここのお湯は時間経過や天候とともに色が変わるタイプで、前に来た時はもっと黄色っぽかった気がする。無色透明や白濁の日もあると言う。
そして川の側、岩風呂の傍らに小さな円形の浴槽があり、そこには「源泉掛け流し<水風呂>冷鉱泉(24.5度)」と書かれた札が置かれていた。
そうなのだ、この滝沢温泉、もともとは冷たい温泉なのだ。加熱循環して岩風呂は浴用に適した温度に調整してあるが、丸い小さな浴槽だけは手を入れず、冷たいまま流している。
女湯は真ん中の衝立を挟んでほぼ左右対称。
ただ、丸い源泉風呂はちょっと違った。岩風呂の隣にあった男湯と違って、もっと小ぢんまりとしたものが岩風呂の中にある。中央ではなく隅の方だが、壺のようなものが岩風呂に入っている状態で、そのぶん湯面が高い位置にあり、実は入りにくい。
源泉風呂には後でチャレンジするとして、まずは岩風呂の方に。
朝一番でお湯は入れたて。循環といっても非常に鮮度が良い。
どのくらいかと言うと、膝の裏側に泡が沢山ついてお湯の中でしゃがんだときにそれがプチプチと潰れるのが判るくらい。
濁り湯なので泡そのものは見えないが、手触りでわかる。
去年は長湯温泉、七里田温泉、筌の口温泉と九州でアワアワの炭酸泉を堪能してきたが、群馬でもこんなにプチプチできるとは思わなかった。
温度は冬の朝にちょうど良い程度の加温。熱すぎもせず、ぬるすぎもしない。
金属の表面をこすった時のようなにおいがして、肌触りはだんだんときしついてくる。
ある程度あたたまったので源泉風呂にも入ってみた。
立札には25度とあるが、手を突っ込んでみたところ上澄みは冷たいが下の方はほんのりと温かい。たぶん男湯と違って岩風呂の中に設置してあるからだろう。これなら冷たいのが苦手な私でも何とか・・・。
25度よりは温かいだろうと感じたが、それでも冷たぁい。
そして源泉風呂は思ったより深かった。しかもなんか底がふかふかしている。下に何かウレタンみたいなものが敷いてあるみたい。
入ると下からふわぁっと茶色い粉のような湯の花が沢山舞い上がってきた。
たぶん岩風呂以上にぷちぷちと炭酸の泡がはじけているのだろうと思うが、とにかく冷たいのでそれ以外考えられない。
胸元まで沈めたが、やっぱり肩までは無理だった。
ここに入るなら夏だな。
お湯はもちろんのこと、滝沢館の露天風呂は景色もとても良い。
川の対岸は昨夜の雪がうっすらと積もって、翠の川の流れとともに冬らしい景色を作っている。いいなぁ、露天風呂で過ごす休日は。
急いで移動した内湯はいったん館内に入ってロビーとは逆方向へ。
温泉旅館としてはそれほど広い浴室ではなく、湯口周辺に岩を組んであるほかは、家庭のお風呂にもありそうなタイル張りで特徴は無い。
露天風呂にも洗い場はあったが吹きさらしなので、宿泊したら髪を洗ったりするにはこっちかなという程度。
しかしお湯は水道水とは違う。
ほぼ透明だが僅かに茶色い湯の花。きしつきもあるがべたべたする感触の方が残る。
露天風呂とは違って非常に薄い感じがあるが、穏やかさがありこれはこれで良いかもしれない。
ちなみにこの内湯は井戸水に露天風呂と同じ源泉を少しだけ足して加熱循環している。
露天風呂のお湯がインパクトが強いので、両方入るならこちらを先に入った方が良かったかもしれない。
以下は2003年訪問時のレポート
上毛三山のひとつ、赤城山の山麓には沢山の温泉が湧いている。この辺り、上州赤城温泉郷と呼ぶらしい。赤城山の頂上には大沼、小沼と二つの沼があり、そのうち小沼から流れ出る粕川の渓谷沿いに一軒宿 滝沢館はある。
「おふろたび vol.5」(交通新聞社発行 旅の手帳特別編集)という雑誌の84頁で、温泉活性化委員長のなっちゃんが、滝沢温泉の露天風呂は「うっすらレモン色で綺麗」なお湯だと書かれていたので、いつか行ってみたいと思っていたのだ。
訪ねた日は、今にも雨の降りそうな曇天で、赤城山もすっぽり白い靄の中だった。
頂上付近は冬は通行止めだが、他のシーズンには東京の夜景も見えると言うサンシャイン峠方面へ、県道16号線をひたすら登り、忠治温泉の手前で看板に従い右折する。うっそうとした山道を車を走らせると、やがて目指す旅館が見えてきた。
入り口を入ると、ロビーは改装したばかりなのかぴかぴかだ。日本秘湯を守る会の会員宿なので、秘湯を守る会の冊子が置いてある。昼食も取れるかと思ったが、残念ながらランチはやっていないとのこと。お風呂だけお願いすることにした。
内湯は館内に、露天風呂はいったん外に出た別棟にある。
どちらかひとつ選ぶなら、やっぱり渓流沿いの露天風呂に入ってみたい。
石の階段が冷えるので子供たちは寒い寒いと言う。スリッパが脱げそうになるのを急かして脱衣所に入った。脱衣所も凍えそうだった。
露天風呂は岩風呂。湯気よりもやで、辺りはぼんやりしている。幻想的でそれはそれはいい感じ。
想像していた通り、湯の色はとても綺麗で、少し濁りのある黄色だ。湯は冷えた外気温に対して適温で、刺激は特にない。臭いはごく僅かに鉄っぽい。
脱衣所に湯の色の説明が貼ってあり、それによるとこの綺麗な色は、加熱してから30時間ぐらいで見られ、その後、透明に戻っていくのだそうだ。
浴槽の岩の向こうに粕川が見えるが、今の時期はほとんど水がないらしい。雪解けの頃になればもっと流れるのかもしれない。露天風呂は冬は葉が落ちて寂しい感じだが、新緑や紅葉時は目を見張るほど美しいのではないだろうか。
この川側の端に、源泉と飲専用のコップがある。
冷鉱泉で湯船は沸かしているので、源泉は湯船には入らず、川のほうへ流れていく。
先に入っていた方が、「すごく不味いのよ」と仰った。
飲んでみると、まさに砂糖を入れる前のサイダーそのものだ。びっくりするほど口の中がしゅわしゅわする。お湯そのものを気にしだしてから本格的な炭酸泉は初めてで、とっても面白い!!
しかし半端でなく飲みにくい。炭酸の刺激に加えて鉄さびを舐めているような味も混じっていて、なんともいえない。飲泉好きの3歳児レナでも3杯しか飲まなかった(3杯も飲めば十分か)。胃腸にはとても良いそうだ。
湯船はちょっと深い。おちびさんの次女はぎりぎり顎まで湯面が来る感じ。階段状になった岩の上なら適当な深さだ。
また、男女のしきりが川側に人一人通れるくらいの開いた部分があるので、子供たちは男湯と女湯を出入りした。
長女に聞くと、男湯の方がかなりぬるかったそうである。