子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★★ 源泉はぬるめ
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆
子連れ家族のための温泉ポイント
雪見露天風呂にいい日だった。
というより雪しか見えない日だった。どこもかしこも真っ白で、木々の上にも屋根の上にもこんもり積もっていた。
やってきたのはみなかみ町の「鈴森の湯」。看板には掛け流しとある。評判の良い日帰り温泉だけどあまりひと気がない。平日だからか。
入口ではスタッフがせっせと門の上の雪下ろしをしていた。まだ12月だというのに降りすぎだ。
受付でロッカーのカギを渡され浴室へ。内湯は外気との温度差で全体がもわもわと湯気に包まれている。ミストサウナは休止中だったが、浴室がミストサウナみたいなものだった。
大小の浴槽があり、大きい方は適温、小さい方は立ち湯のように深く、そしてかなりぬるい。この季節には辛いほどにぬるい。源泉温度は33.5度と、夏ならひんやり気持ちいい温度だが寒がりの私には冬にはちと厳しい。
「鈴森の湯」ではこのぬるい内湯の小浴槽と掛け湯が非加熱の源泉掛け流しで、大浴槽と露天風呂は熱交換で加熱して源泉掛け流しにしている。
色はほぼ無色透明。ほんの少し濁りがあるかな。においは私が少し苦手とする沢水のような感じだが、それほど悪いにおいじゃない。お湯の中ではキシつく肌触りで、上って乾く前の状態では少しぺとつく感触がある。
露天風呂へは外の階段を下りていく。いやなんて言えばいいの?完璧な雪見露天風呂。お風呂の中をざぶざぶ歩いてへりまで行くと川と砂防ダムが見える。
男湯の方は道路から見えた赤い橋も見えたんだって。
雪は音を吸い込む。光の量が少ないので世界はモノトーン。ひらひらと雪が結晶のまま下りてきて、石でできたお風呂の縁に落ちて溶けて消える。消えればまた次の雪の結晶が落ちてくる。その繰り返し。湯舟に座って縁にもたれて、ずっとそれを見ている。のぼせるまで。そんな雪の日。