子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 温度は適温熱め、泉質は問題なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆ 露天風呂は小さい子連れは階段が厳しいかも
子連れ家族のための温泉ポイント
四万が近づくにつれて辺りは一面雪景色。
午前中の赤城山麓は快晴だったし、その後も雲は増えたけど日も差していた。
それがいつの間にかしんしんと降る雪で山も森も道も真っ白。もうずっとここでは太陽の光なんて見ていないような冬景色。
もりまた旅館はグループで貸切でお願いしたので、他に宿泊客はいない。
1階に2部屋、2階に1部屋の計3部屋を使わせてもらう。
浴室は1階からさらに階段を下りたところ。玄関から見ると地下にあたるが川沿いの斜面に建っているので窓からは川が見えた。
その他に・・・露天風呂もあるよとご主人。
へー、露天風呂があるとは知らなかった。予想外で嬉しい。
みんなでご主人の後をついて玄関から外に出る。
ご主人は道路と建物の隙間の狭い急な階段を下りて行った。こんなところに階段があるなんて気付かなかったよ。
雪が積もっているのでちょっと怖い。
金属製のはしごが手すり代わりに横に掛けてある。
途中、背の高い人は頭をぶつけそうなポイントもある。
でも露天風呂は素晴らしかった。川が近いし、何より雪景色が絵になる。
もりまた旅館は実はかなりの穴場。
ここのお湯は長靜館と同じ源泉を使っているが、それだけでなく、もりまた旅館の方が源泉に近い立地なのでより鮮度の良いお湯を使うことができるのだ。
もりまた旅館のすぐ上流に長靜館の湯の源泉が湧いているだけでなく、ちょうどそこは泉源が集中していて、近隣の源泉の湧き口が複数あるのだそうだ。
その中の一本をもりまた旅館と長靜館で開発、使用、残った分は柏屋旅館でも使用されている。
もりまた旅館ではこのお湯がふんだんに使える。手を加えずにそのまま男女別の内湯にも、露天風呂にも投入し、熱すぎれば湯量は絞るけれど後は入る人が勝手に調整してくれと放ってある。
それはそのまま活きの良い温泉に入れるということだし、各々の好みで入れるということだ。
これが本当の贅沢な温泉というものだ。
しばらく待っていると露天風呂が空いたようなので、女三人であの狭い階段を下りた。手すりにも雪が積もっているし、足元も滑りそうで怖い。
でも露天風呂に入ることを思えば怖さもふっとぶ。
さっきより辺りは暗くなってきた。
雪はしんしんと降り続いていて、お風呂から見る景色は水墨画のようだ。
四万の温泉は端正で硬いという印象があるが、このもりまた旅館のお湯は硬さの中にほんわかとした和みがある。外気に冷やされたぬるめの温度がもたらす部分も多いかもしれないが。
肌触りはきしつきがある。
無色透明、湯の花も見えない。
どこか甘いにおいのする源泉には岩ではなく滑らかな直線でできた石の浴槽が似合う。
上がる頃には川べりの宿にもぽつりぽつりと橙色の灯りが灯りはじめた。
脱衣棚はお風呂の横に吹きさらしの状態であるのに、体は十分温まっていて、来るときのような寒さは感じなかった。