子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 源泉は少しぬるめ
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 展望露天風呂 六左衛門の湯にはベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
伊香保温泉のお湯には石段の下を流れる黄金の湯と、後から掘削した透明な白金の湯がある。もちろん黄金の湯を引くのは伊香保のステイタスだ。そういう意味では石段街の中ほどにドンッと存在感を見せる老舗旅館「岸権旅館」は、まさに伊香保の重鎮。
「岸権旅館」ではステイタスのシンボルである黄金の湯の1割を所有し、館内に3ヶ所ある男女別の浴室に加え、全部で4つほどもある貸切湯も含めて全部この貴重な黄金の湯を掛け流しにしているのだから圧倒される。
ただ寒い時期は加温だけはするそうで、私が訪れたのは12月だから、やはり源泉はそれなりに温められている時期だったと思う。
館内は豪勢でスタッフのサービスも良し。ヘビースモーカーの夫のために喫煙室にしたので部屋からの展望はもう一つだったが(2021年現在全館禁煙になっている)広さは十分。ただし食事は少し大型ツアー向けに作られたような感じだった(別にツアーで泊まったわけではない)。
浴室は外に独立してある「離れ露天風呂 権左衛門の湯」、客室とは1階で繋がったスパタワーなる浴室だけの棟に「展望露天風呂 六左衛門の湯」、客室棟1階に「大浴場 又左衛門の湯」がある。つまり有料貸切風呂を除けば3種類のお風呂に入れる。
お湯は全部黄金の湯だが、展望に関しては女湯は「離れ露天風呂 権左衛門の湯」が、男湯は「展望露天風呂 六左衛門の湯」がいいみたい。
チェックインして最初に向かったのは「離れ露天風呂 権左衛門の湯」。いったん専用のサンダルを履いて外に出て路を渡る。
ドアを開けて「わぁ」っと思う。手前に2つ樽風呂。樽風呂は一つが掛け湯用でもう一つが入浴できるみたい。そして奥に長方形の木の浴槽。いずれにも黄金の湯が贅沢になみなみと。
冬至だったので柚子を入れたネットがいくつもぶらさがっていて、香りは温泉というよりすっかり柚子!
ここは本当に景色がいい。ちょうど女湯からは新潟方面の山々が見えるようだ。
オレンジ色が濃くて底などまったく見えない濁り湯。肌触りはキシつきつつも滑る。長方形の浴槽の方が眺めはいいが、お湯の鮮度は樽風呂の方が良さそう。柚子に混じって金属臭もする。
一方、スパタワーの「展望露天風呂 六左衛門の湯」は、女湯4階、男湯3階と女湯の方が上のフロアに関わらず、露天風呂は柵、内湯はすりガラス的な目隠しが大きくて、正直お風呂に入ってしまうと何も見えない。一番よく見えるのが露天風呂の浴槽の手前のベンチ。ここに座ればなんとか展望あり。
最後の「大浴場 又左衛門の湯」は夜寝る前に入った。ここは窓自体なかったかも。曲線でできた浴槽は面白いが少し昭和レトロな感じの大浴場だった。
しかし改めて考えてもこれだけ贅沢に黄金の湯を使えるというのは流石は岸権旅館というよりほかない。伊香保温泉でもひときわ貫禄を感じる宿だった。