霧積温泉 金湯館

「人間の証明」の舞台、秘湯の一軒宿

  • 所在地 群馬県安中市松井田町坂本1928 TEL 027-395-3851
  • 泉質 カルシウム―硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性温泉) 源泉名:霧積温泉(源泉名 入之湯)
  • 日帰り入浴料 1人700円
  • 設備等 男女別内湯など
  • 公式サイトURL http://www.kawafuru.com/
[2023年5月のデータ ただし料金等は2024年8月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★★ 泉質★★★★☆  湯温はぬるめ
  • 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベンチあり

霧積温泉 金湯館 体験レポート

霧積温泉駐車場の水車跡
霧積温泉駐車場(元きりづみ館の跡地)

霧積温泉と聞くと、反射的に「母さん僕のあの帽子どうしたでせうね」、森村誠一「人間の証明」が頭に浮かぶ。映画が流行った時に原作は読んだ記憶がある。映画の方は見ていない。

見えてきた金湯館
階段の下に見えてきた金湯館
赤い橋と金湯館の外観
金湯館の外観

「人間の証明」は森村誠一が西條八十の詩「帽子」に出てくる一節に感銘を受けて執筆した小説で、作中においてもその詩は重要なヒントとなり、実際に場面として現地も登場する霧積温泉。

金湯館の玄関
玄関
金湯館のロビー
ロビー

ここは昔、別荘地として大変栄えていたが、明治43年の山津波で大きな被害を受け、さらに鉄道の開通などで賑わいは軽井沢に移っていってしまったと、行きの送迎車の中でご主人に伺った。

霧積温泉 金湯館の客室
泊まった客室

それでも1971年に親族(兄弟)が経営する「きりづみ館」が建ち、2012年までは2軒で営業していたが、現在は「金湯館」のみを残す。

金湯館の夕食
夕食の名物、野菜と山菜の天ぷら
金湯館の朝食
朝食

アクセスはなかなか難儀で、一般車両は乗り入れ禁止なので駐車場から徒歩20分歩くか、お宿の送迎車を頼むしかない(宿泊者専用)。なおこのときマイカーを停める駐車場が元きりづみ館の跡地だ。当時はここまで金湯館のお湯を引いていたのだ。シンボルの水車が今も名残のように残されている。

金湯館散策
ランプ

送迎車を下りてからもまだつづら折りの階段を下りて行かなくてはならない。首都圏から近い群馬県でもとびきりの秘湯と言えよう。

金湯館の張り紙
金湯館館内の気になる張り紙
水車の水路

さて、お風呂は男女別の内湯のみ。けっして浴室が広いわけでもなく、眺めが良いわけでもない。ただひたすら鮮度の良いぬるいお湯が掛け流されているだけである。これがいいんだと思う人には最高の環境だと思う。

廊下と女湯入口
女湯入口
金湯館の女湯
女湯

湯口は38度、湯船で37.5度と、ほんのり温かい。最初は肌を滑りつつ、キュッと止まる。気が付くと表面に細かい泡が付いていて、払うとフワッ、ファサッと散る。お湯はほぼ無色透明。白いふわりとした小さな湯の花が舞っている。

源泉掛け流し
源泉かけ流しで床に流れるお湯
女湯のカエル
カエル?

ぬるいけど、体温よりは温度が高いので、入りっぱなしとはいかず、時々上がって休まないとならない。肌はどんどんサラサラになっていく。

洗い場の蛇口
洗い場
霧積温泉の湯口
湯口

蛇口はどうなっているのかわからないが、2つぐらいひねってみたがぬるい水しか出ないので、湯船のお湯をすくって髪を洗った。

霧積温泉の泡付き
泡付きがなんとなくわかっていただければ
桶と手ぬぐい

においは淡いかほんの少しゆで卵のような硫化水素臭も感知する。湯口の結晶が宝石の鉱脈のようだね。

金湯館の男湯
男湯は女湯より少し大きいかな?

朝風呂から上がると、お風呂の方に向かって廊下をとても高齢の女性が歩いてきた。歩みがあまりにゆっくりで、なかなか目的の場所に着かないのではと思ったほど。すれ違う時に「もうお風呂に入ったの?」と聞かれて「はい」と答えると温かい口調で「良かったわね」と。

美味しい岩清水
美味しい岩清水

宿の大女将だった。そしてこれは1年半前の記録だけど、お宿のFacebookを見ていたら、去年鬼籍に入られたと…。

金湯館のお風呂近くの廊下
この廊下で大女将とすれ違った

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