伊香保の某温泉旅館 体験レポート
伊香保温泉の某旅館の外観と浴室
先に断っておくがこれは番外編だ。
伊香保温泉の温泉紹介頁が見たければ、こちらへ → 伊香保露天風呂 又は 伊香保石段の湯
上の外観画像など薄暗いが、夜に撮影しただけで別にお化けの出る宿とかそういうんじゃない。
ここは一般の宿ではなく、某所の保養所旅館だった。
過去形なのは今は違うからだ。
バブルがはじけてしばらくして、企業も自治体もお金のかかる保養施設を次々と手放し始めた。
ここも例に漏れずいったんは競売にかけられたが、残念ながら最終的に買い手はつかなかった。
たぶん施設が老朽化していたからだろう。
あるいは既に伊香保のネームバリューが落ちていたと言うことか。
とりあえず昔話をしよう。
私たちがここに泊まったのは2003年の2月のこと。
中は古びていて、部屋の間取りに無理矢理作ったような妙なところがあったりしたが、廊下の壁などには竹久夢二のレプリカなど飾られていて雰囲気は悪くは無かった。
お風呂は内風呂だけで、正直、無色透明の規定泉、いわゆる伊香保のしろがねの湯なのだと思いこんでいた。
しかしきちんと本線である黄金の湯が入っていたのには驚いた。分析表もきちんと表示されていた。
残念ながら掛け流しではなく、浴槽の縁からこぼれた分をそのまま回収して循環しているようだった。
色はもちろん伊香保の赤濁り湯。金属臭はほとんど無かったが、肌触りに伊香保らしさが残っている。
伊香保の黄金の湯を引ける宿は限られている。
我が国第一号の温泉都市計画として、はじめに決められた湯の道筋と量の契約は今も生きているのだ。
「新参者の保養所ごときが、どうやって本線の権利を手に入れたんだろう?」と訝しく思う私に夫は、
「元々権利を所有していた旅館を丸ごと買い取ったんだろう」と納得の推察。
ふむ・・・すると、あそこは元々何という旅館だったんだろうか。
むくむくと沸いてきた興味の赴くまま、古い地図やネットを手繰ると・・・
どうやらここは「関谷旅館」という名の旅館だったようだ。
さらにその関谷旅館について調べ進むうちに、もっと面白いことが判ってきた。
もしかしてここは名探偵の泊まった宿かもしれない。
あくまでもこれは推論で、事実は不明(いやいや元々その探偵自体フィクションなのだが)。
内田康夫の「伊香保殺人事件」という推理小説がある。
そこで名探偵 浅見光彦が関谷旅館に泊まるのだ。
というわけで伊香保殺人事件を読んでみた。
おお、この場面は間違いなくあの旅館!!と思うような記述が見つかれば良かったのだが、残念ながらおしゃべりな仲居が登場する他はこれといって決め手がない。
とはいえ、入れ墨の男性にびびりながら探偵が入った風呂があのお風呂かなと思うのは、想像するだけで楽しい。
伊香保温泉の石段街
2005年の秋、四万へ向かう途中、懐かしい伊香保に寄ってみた。
あの旅館はどうなっているだろうと通りがかりにのぞいてみたが、残念なことに今もって入り口は閉鎖されたままだった。
この温泉を訪問した時の子連れ旅行記
近隣の子連れ遊び場情報
- 伊香保グリーン牧場(ちょっと中途半端な観光牧場)
- 渋川スカイランドパーク(小さい子どもにはちょうど良いサイズの遊園地 温泉日記「榛名湖日記その2」参照)
- 榛名湖(ボート(温泉日記「榛名湖日記6」参照)や冬は氷上ゴーカート(温泉日記「榛名湖日記5」参照))