子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温はきもち温めくらい、泉質は特に刺激なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ バリアフリーを意識した作りで、貸切風呂もリーズナブル
子連れ家族のための温泉ポイント
北橘温泉ばんどうの湯は、群馬県の北橘村の村営日帰り温泉施設だ。
北の橘という美しい名は、神話の中で日本武尊(やまとたけるのみこと)が妻の弟橘姫(おとたちばなひめ)を偲んだ山を橘山と呼んだことに由来する。
ばんどうの湯を訪れたのは2004年元旦のことだった。お正月から公営日帰り温泉施設が営業しているか判らなかったため、事前に電話を入れたところ、
「あけましておめでとうございますっ。ばんどうの湯です。今日ですか? はいっ営業しています。お待ちしていますっ」と元気の良い声が返ってきた。
電話応対が感じ良いと、何だか期待が持てる。
阪東橋で利根川を渡り、到着したばんどうの湯の駐車場はかなり埋まっていた。
元旦から入りに来るお客さんが沢山いるのだ。
入り口にお正月飾り。
玄関からして段差がなくバリアフリーを意識したつくり。
大人300円、小学生未満無料と、元々非常にリーズナブルなのに、群馬の温泉(広報社)についていたクーポン券でさらに一人無料、そのうえお正月なので年賀のタオルも二つつけてくれた。家族4人で300円しか払っていないのに大サービスだ。
浴室に入ると鼻腔をくすぐる臭い。
ああ、この臭いは知っている。温泉の中で一番好きな臭い。
柑橘系のオイルの臭い。オレンジオイルの洗濯溶剤。
子供たちを先に洗う。洗い場のシャワーが浴槽に近すぎて飛沫が飛びそう。
内湯からの眺めも素晴らしい。広がる渋川の市街地ときらきら光る利根川を見下ろし、その向こうには榛名山。さらに奥にはうっすらとした輪郭を見せて妙義山も。
しばらく温まって今度は露天風呂へ。
露天風呂からの眺めも絶景。
流石に湯船につかったまま全ては見えないけど、立ち上がらなくても浴槽の縁に座って涼んでいるだけで、榛名山はとてもよく見える。
空は僅かに霞んだ広い青空で、冬の直射日光はまぶしいくらい。
なんて気持ちのいいお風呂だろう。
浴槽のつくりは循環仕様のようにも思えるが、とにかくお湯がいい。臭いはもうくらくらするくらいだし、露天風呂には茶色っぽい不揃いな湯の花がちらほら。表面にはうっすらと油膜が浮いていて、太陽に光に当たると虹色に光る。味は油入りの塩味。
臭いの強さは林温泉を思い出すが、あちらが灯油臭だったのに対し、こっちは柑橘系で私は圧倒的にこの臭いが好き。同じ群馬のリバートピア吉岡で初めて嗅いで、まえばし駅前温泉ゆ~ゆでノックアウトされた。
それにここのお湯はとても泡付きがいい。びっしりというほどではないけど、何度入ってもかなり付く。
露天風呂の男湯と女湯の間には大きな水車が回っている。
水車の傍まで近づくと、目立たない場所に打たせ湯があった。この打たせ湯だけは思い切りカルキ臭くて早々に退散。
年配者も多いが、家族連れも多い施設。お正月なので三世代で来ている人も多いようだ。うちの孫と遊んでくれてありがとうとお礼を言ってくださったおばあちゃんもいらした。とんでもない、こちらこそ。
値段、景観、お湯の臭いと三つ揃って、さらに渋川・伊香保ICからも近くて便利。また行きたい施設だ。