子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 湯温は適温、泉質も特に問題なしだが塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ ベビーベッド有り、休憩室有り
子連れ家族のための温泉ポイント
群馬を旅していると時折、中国の山水画のような岩山を目にする。
一番知られているのは妙義山だが、吾妻川流域にある岩井洞山もその一つだ。
岩井洞山の岩窟には観世音菩薩が祀られ吾妻観音三十三霊場のひとつにも数えられている。
この岩井洞山を川を隔てたところから見上げるように建っているのが、東吾妻町の町営温泉(訪問当時)、あづま温泉 桔梗館だ。
さて、145号線から353線へと連なる草津から渋川へ向かう幹線道路沿いには、あづま温泉の他にも岩櫃城温泉、小野上村温泉センター、根古屋城温泉センター、金島温泉富貴の湯など、公営民営の日帰り温泉がひしめいている。
どこも500円程度の入浴料で手軽に利用できる。
この中で唯一、今までに入ったことがないのがこのあづま温泉だった。
入り口まで行ったことはある。
このときは、小野上村温泉センターに行こうとして温泉祭りの準備中だったのでやめて、あづま温泉に向かったのだが今度は駐車場まで鳴り響くカラオケの音に閉口して逃げ出し、結局最後は岩櫃城温泉に落ち着いた。
岩櫃城温泉はあまり我が家の好みではなく散々な結果になってしまった。
一度行きそびれると機会が無くなる場所というのはある。
榛名湖に泊まっているとき行こうと思えば何度も行く機会があったはずなのに、ついにあづま温泉だけはすっぽり抜け落ちたままだった。
国道からアクセスする場合、看板がとにかく判りにくい。最後の曲がり角に必要な表示がないので二度も間違えてしまった。
他にも迷う人がいるのではないかと思う。
細かい雨が降り続いていたので、車を降りてから急いで屋根の下に入った。
館内は思ったより狭い。
今日はカラオケは響いていないようだ。
大広間で待ち合わせることにして、子どもたちを連れて浴室へ向かった。
最近よく行く埼玉辺りの日帰り温泉はどこも真新しくぴかぴかだったせいか、何となくここもそんな場所を想像していた。
だから最初の印象は「思ったよりも古い」ということだった。
確かここの近所の小野上村温泉センターは日帰り温泉の草分け的存在だった。
このあづま温泉桔梗館も実はかなり老舗の部類に入るかもしれない。
内湯は縁が木の浴槽だった。
入って天井を見上げると、黒々とした木が組んである。なんというか、センター系のお風呂ではなく歴史有る共同浴場のような雰囲気だ。
お湯はほぼ透明でほんの僅かにぬるつくような手触りがあるような気がする。
少し入っているとのぼせてきた。
温まり度は相当なものらしい。加えて乾いた膚がぴりぴりと突っ張り始めた。
そのとき初めて、ああこれは塩泉だったのかと思った。
内湯の湯口の所にコップが置かれている。
飲んでみるとはっきりした塩味がした。