子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★☆☆☆☆ 湯はかなり熱く、泉質も刺激的、赤ちゃんにはきついかも
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所に畳スペースがあり、ベビーベッド代わりになりそう
子連れ家族のための温泉ポイント
良い温泉の条件の一つが湯量、特に自噴湧出量であるとするなら、沼尻温泉は全国でもトップクラスの温泉のひとつだ。
平成12年度のデータで九州の由布院温泉などをおさえて全国第8位。一分間に9千リットルも湧いていることになる。
自噴湧出量の多いところは強酸性泉が多い。沼尻温泉も例に漏れずかなり刺激の強いお湯だ。
宝暦元年に沼尻温泉は開湯。
田村屋旅館は明治19年に創業。
しかしその14年後の明治33年に安達太良山が噴火し1年間の休業を余儀なくされる。
その後再開したものの、沼尻の湯元からは離れ、現在の沼尻スキー場の場所に移転して現在に至っている。
安達太良山の湯元から引く源泉は、沼尻の旅館に引かれているほか、中ノ沢温泉の旅館街にも引かれている。目の周りを真っ赤に塗った独特のこけしで知られる中ノ沢温泉は、沼尻と同じ源泉を使っているのだ。
この沼尻温泉は胃腸の名湯として知られているが、ガイドブックには他に糖尿病、扁桃腺にも効くと記載されていた。
我が家は扁桃腺を患うことの多い一家で、この時も4歳の次女が扁桃腺の病み上がりだったため、ぜひ沼尻温泉に行ってみたいと思っていた。
中ノ沢温泉の中を通って沼尻に至るのかと思ったら、手前で道は分岐していた。沼尻はスキー場もあるので、もうちょっと奥まったところにあるのだ。
目指す田村屋旅館は本当に沼尻スキー場の目の前。日帰り入浴客はこちらの入り口からどうぞとベタベタと張り紙があるので、日帰り客も多いのかなと思ったが、月曜日の午前中、ロビーは静まり返っていた。
声を掛けてやっと奥から宿の人が出てきた。受付をしてもらう。幼稚園児の子供たちは無料で良いとのこと。浴室は二階にあるようだ。
ロビーのあのようすだと、お風呂も貸切状態で入れるかなと思った。
6歳の長女はどうしてもパパと入るという。4歳の次女だけ女湯についてきた。
脱衣所は広く、一段高くなった不思議な畳のスペースがある。ベビーベッドに使えそうだが、本来の目的は座って涼む場所だろうか。
浴室へ足を踏み入れると、妙な臭い。
お湯の臭いがちょっとドブ系。アンモニアっぽい臭いとはこれのことか。ドブでも海の生臭さなどとはまったく違うタイプの臭い。非常に面白い。
檜作りの浴室は、広い浴槽もそのまま掛け流している。水のホースはあるが止めてある。熱めだが入れないほどではない。
入ると肌にぴりぴりとくる。緑がかっているが、お湯は澄んでいる。ごく細かい湯の花が舞っている。
露天風呂はいい雪見風呂になっていた。
今日は悪天候だと思ったのに、いやいや沼尻についた時だって雪は降り続いていたのに、どういうわけか露天風呂に出たら、うそのような青空が広がっていた。
すごい、真っ青な空だ。いつのまに天候が変わったのだろう。
お風呂はちょうど雪の窪地のような感じで、四方に雪が積み上げられているが、周りの木々は雑木林ではなく、実は庭園らしい。あちこちの木に雪吊りがしてあるので気がついた。違う季節なら庭を見ながら入る露天風呂なのだろう。
露天風呂のほうが内湯よりさらに熱かった。男湯は熱湯に近かったそうである。しかもうめるための蛇口は凍っていて使用不可能。女湯は入れないほどではなく、慣れれば子供でもなんとかなる程度。
とても強いお湯だと思う。肌にも刺激が強いが、味など猛烈に酸っぱ渋い。酸っぱいのは予測していたが、こんなに渋いとは…思わず、入れ歯を外したおばあちゃん口になってしまいそう。
上がると、パパと入ったはずの長女はパパのコートを羽織って泣きべそをかいていた。何でも肌にびりびりと刺激があるのに耐えられず、ほとんど入れなかったというのだ。
9月に行った秋田の川原毛大湯滝でも彼女は泣いて少ししか入らなかったが、どうも酸性泉が苦手らしい。
今後、刺激の強い温泉に子供を連れて行くときは考えないといけないかもしれない。
濃い酸性泉で、どっと湯上り肩に重いものか乗ったような感じだ。重い浴感。沼尻温泉、強烈。