子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★☆☆☆ 酸性は強い、温度は適温
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にクーファンあり
子連れ家族のための温泉ポイント
安達太良山で湧く酸性泉を8キロ引き湯している岳温泉は、もともと源泉直下に陽日(ゆい)温泉として栄えていたが、自然災害や戊辰戦争で被災して十文字岳温泉、深掘温泉と場所を変え、名を変え、現在に至る。とても苦労してきた温泉地というイメージがある。
また2006年に立ち寄った時はニコニコ共和国として独立していたが、2016年に再訪した時には既にニコニコ共和国は過去のものとなっていた。
さて、「あだたらの宿 扇や」はそんな岳温泉の和風旅館で、新しい建物ではないが、なんというか女性の細やかな心遣いが感じられて居心地よく過ごせる宿だった。女将さんや働いている方たちの醸し出す雰囲気による部分も大きい。
金額的には高くはないけど安くもない。1泊2食付きでできれば15,000円以内に収めたいと思っている層には、泊まって良かったと思えるなにがしかがほしいと思われる料金帯で、そのあたりはサービス、料理、温泉などが控えめながら高クオリティであることでおつりがくるようになっている。
さて、浴室は男女の入れ替え無し。夫曰く男湯は比較的シンプルというが、女湯の方はとても可愛らしい。湯上がり処兼朝食会場である「檸檬」の天井の灯りも同じデザイナーの作品であるそうだが、モチーフはお花。
湧出地から引き湯した60度ほどの源泉を、湯量を絞ることで適温の41~42度ほどに。
女湯内湯には浴槽が二つあって、一つはお花そのものの形、もう一つは寝湯というには少し中途半端な深さの寝湯。女将さんが本当は木の枕を付けたかったというその寝湯は、深いお風呂が心配な子供連れにはちょうどよい。半身浴にも使える。
露天風呂は木の浴槽でシンプルに和風。坪庭の緑を眺めながら入れる。
ちょうど泊まった日がミルキーデイと呼ばれる濁り湯の日。ミルキーデイは主に月曜日だが、週に一度、湯元の管の清掃を行うので、その時は大量の湯の花が温泉街まで運ばれて白い濁り湯になる(ふだんはわりかし透明)。
ミルキーデイの影響もあってか、午後3時ぐらいに入った時は少し硫化水素っぽいにおいがしていた。その後はどこか酸っぱそうな爽やかなにおいが感じらるように。ぎっちりキシつく肌触りで、酸性の割に肌にピリピリとした刺激はない。
まさにそれが岳温泉の特徴ということで、長い引き湯の間に自然に湯もみされ、お湯がまろやかになるそうだ。ただし、湯上りは酸性泉に入った後らしくずっしりと疲れが出る。だからまろやか~と安心して入りすぎないようにしないと。
味は薄いレモン水のよう。湯上りは乾くまでもなくすぐにサラサラして肌がつるつるになる。
ミルキーデイについてもう少し書くと、午前10時半ごろに引き湯の管を通った湯花が到着し始め、それから浴槽も濁り湯に変わっていく。その後は湯口のお湯は透明に戻り、濁りも徐々に掛け流されていくが、底に湯花が沈殿した状態なので、翌朝でもかき回せば白濁湯が楽しめた。
お部屋や食事については、たびハピの記事に詳しく書いたので、よろしければそちらもご覧ください⇒岳温泉 あだたらの宿 扇や宿泊記・濁り湯好きは月曜ミルキーデイ泊がおすすめ