子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★☆☆ お湯は適温
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 扇の湯は脱衣所にベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
土湯峠に点在する秘湯群の中では高級感があるというか、わりと商売っ気がある感じの温泉ホテル。雪見露天風呂で知られる新野地温泉の手前で、やはり冬には雪見が期待できる場所。
建物の道向かいにある駐車場がまるで宙に浮いている天空の駐車場みたいな感じも気になっている。
通りかかったのはちょうど少し遅めのお昼時。野地温泉ホテルより高湯方面に向けて、途中にあまり食事がとれそうな場所は無かった。できれば昼食を、さらにあわよくば入浴もと思って寄ってみた。
正面の立派な入り口は宿泊者用。向かって右手の小さな玄関が日帰り入浴者用で、私たちはまず正面の入口から入ってフロントで食事ができるか聞いてみた。すると、既に1時は回っていたがラーメンならぎりぎり1時半まで受け付けているとのこと。
めん処は2階で、確かに11時半から1時半が営業時間だった。おやじさんはもう片付けに入りかけていたが、何とか間に合ったみたい。私は塩ラーメンを、夫は醤油ラーメンを注文した。
なかなかどうして本格的で豪華なラーメンで、しかもチャーシューの分厚さにもびっくり。これはわざわざでも立ち寄る価値があるかも。
さて残るはお風呂だが・・・実は館内に入る前に野地温泉ホテルの公式サイトをチェックしたところ、日帰り入浴の受付は1時まで、利用終了が2時までとなっていて、。既に1時は過ぎているが、聞くだけ聞いてみようと考えた。
先ほどラーメンの受付時間を調べてくださった受付の方に相談してみると、幸いにもOKとのこと。2時には上がりますのでと伝えて入浴させてもらえることになった。急ぎ足になるが、次はいつこの辺りに来られるか判らなかったのでとてもありがたい。
ただし、下足は日帰り入浴用の下駄箱に移動させてほしいと言われて、靴だけは手に持って中央玄関から館内を通っていったん日帰り用玄関に運んだ。 これからチェックインしてくる宿泊客の履物と混ざってしまうとやっかいなのだそうだ。
野地温泉ホテルの浴室はいっぱいあった。ちょっと日帰りで立ち寄るだけでは、もうどこに何があるやら混乱するぐらい。まとめると、以下の通り。
それぞれ脱衣所も別だが、廊下に男女切り替え時間の案内板が貼ってあるほか、各浴室の入口に今、どちらの専用時間なのかわかるように看板が設置されているので、間違えて入ることはないだろう。この中で私は男女交代制の「天狗の湯」と女性専用の「扇の湯」「羽衣の湯」に入浴した。全部回るなら宿泊したいね。
まずは野地温泉ホテルが「おもしろ露天風呂」と称する天狗の湯。
四角い木製のお風呂と、神様を祭った露天風呂があるのだが、この内湯と露天風呂は中でお湯が繋がっていて、ざぶざぶと中を歩いて移動することもできる。
露天風呂の形は六角形。そしてもうひとつ岩風呂がある。さらに振り返ると赤い天狗のお面が壁に掛けられていた。なるほどこれで天狗の湯か。
お湯は綺麗なミルキーブルーの造成泉で、ゆで卵臭がして、さらさらと軽い。造成泉があまり好きじゃない人もいるけど、私はこの軽さもわりと好き。疲れている時など、ほどほどに回復させてくれる。
勿体ないけれど時間が足りないのであまりゆっくりできず、今度は女性専用の扇の湯へ。こちらはそのまま露天風呂の羽衣の湯にも出ることができる。脱衣所にはベビーベッドもあって、家族連れにも使いやすそうだ。
扇形の浴槽はいかにもホテルの大浴場といった感じだが、特筆すべきは大きな窓の外の景色。塀が少し下部を遮るが間欠泉のようにランダムなタイミングでもくもくと湯煙が上がる。度肝を抜かれた。その迫力たるや、まさにこれぞ大地の恵み。お風呂からこれが見えるのは凄い。
露天風呂の羽衣の湯は岩風呂で、窓ガラス無しの直でその湯煙を見ることができるが、内湯の扇の湯以上に塀が高くて迫力は少し薄れる。しかし、この湯煙上がる景色を見てこそ、野地温泉ホテルのお風呂は価値があると感じた。
2021年にびゅうたびの取材で再訪したので、使い切れなかった画像から、上に登場しなかったものを中心に少し追加で貼る。
また2016年当時は野地温泉1号源泉と2号源泉の分析表がそれぞれ掲示されていたが、2021年訪問時は2号・3号混合泉のみが掲示されていた(泉質はいずれも単純硫黄泉)。
野地温泉ホテルの温泉についても少し。浴室からもモクモクと見える湯けむりの蒸気から数本、山水で割って蒸気造成泉として各浴槽に供給している。浴槽ごとに温度調節しているわけではないが、それぞれの距離や湯量で温度が変わる。
昭和20年代には胃腸の名湯と呼ばれたが、そのころは温泉の硫黄を舐めていたそう(それで胃腸に効くのか!?)。現在は飲用していない。