子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ お湯はそれほど熱くない
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★★☆
子連れ家族のための温泉ポイント
福島と山形を巡る冬の雪見旅行は終盤になって岩瀬湯本温泉、湯野上温泉と立ち寄りを断られて尻すぼみの様相を帯びていた。なんかこう、最後はいい湯で〆たいじゃない。
そこで選んだのが新甲子温泉 みやま荘。湯元と名乗っているし、いい感じの露天風呂があるみたいだし、これは期待。
新甲子温泉と言うからには、甲子温泉というものがある。もともとこの甲子温泉からの引湯で始まった新甲子温泉だが、このみやま荘は姉妹館の五峰荘と共通で使う自家源泉。
シャレー風の外観は雪の中ちょっと洒落て見えたが、館内は昭和レトロ。もちろんそれがいい。絨毯、ソファー、カーテンなどバブルよりもっと前の、喫茶店文化みたいな時代を感じさせる。ロビーではお客さんではなく宿のお子さんらしい男の子が遊んでいた。
廊下の先に浴室。脱衣所はシンプルでベビーベッドやトイレも付いていない。こういうところも昭和っぽい。
内湯は結構大きく、お湯は黄濁がかった薄緑色に見えた。温度はごく適温。寒い雪に日に熱すぎず、でもぬるくない。源泉にこだわりのあるお宿ということで、湯口に掛け流しであることが明記されている。この湯口、間欠泉のようにお湯の出る量に波があった。
露天風呂は素晴らしい雪見風呂になっていた。思わず「おーっ」と感嘆の声が上がってしまう。谷側を向いて作られていて、スカーッと見晴らしが良いわけではないが、雪を被った木々や山が絵になる。しんしんと降り続く雪が肩に掛かる申し分の無いシチュエーション。
内湯と異なりこちらは赤茶色の濁り湯に見えるが、これはお湯の色というより岩風呂の内側が温泉の成分で赤茶色に染まっているが故らしい。析出物も凄くて浴槽の底にはツブツブが、お湯のあたる岩の表面は珊瑚のようになっている。においはわずかに金属臭があるかないか。
肌触りはきしきしと滑る感じの両方がある。ここは秘湯らしさがありながら、白河ICにも出やすい。旅の最後に寄るにはもってこいの温泉。あんなに激しく降っていた雪も東北道を南下するにつれて雲が切れ、埼玉県に入る頃には抜けるような真っ青な青空になっていた。