子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 湯は適温、泉質は酸性泉で少し刺激があるかも
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッドは無いが代わりに平たいベンチがあって使いやすい
子連れ家族のための温泉ポイント
昭和57年にミニ独立王国ニコニコ共和国で話題をさらったこともある福島県の岳温泉は、苦難の歴史を経て現在に至っている。
発見は室町時代のこと。明応5年に狩人が鉄山の麓で湯が湧いているのを見つけ、江戸時代には陽日(ゆい)温泉と呼ばれ湯治場として栄えていた。
しかし文政7年に自然災害から2百名以上の死傷者を出して壊滅。翌年、塩沢温泉の近くに引き湯して十文字岳温泉として復活した。
だがまだまだ不運は続いた。
明治元年、戊辰戦争の戦火で十文字岳温泉も全焼。
二年後、さらに引き湯距離を伸ばし、深堀にて深堀温泉として営業を始めたが、順調に続くかと思われた深堀温泉も明治36年に焼失する。
ようやく今の場所で岳温泉としてスタートしたのは明治39年のことだった。
岳温泉には日帰り入浴を受け付けている旅館が多いが、料金はまちまち。
500円から1,000円ぐらい。
高台に建つ光雲閣は525円だ。子ども料金は無く均一(訪問当時の料金設定)。
結構手広く日帰りを受け付けていて、日帰り向けの張り紙などあちこちにある。
というか、宿泊客とは駐車場も入り口も別だ。
ペットホテルも併設されていて、ペット連れの宿泊も可能。
お風呂は景観の良い2階。
脱衣所にはベビーベッドは無いが、赤ちゃん連れにも使いやすい平たいベンチがあった。
浴室は明るく景色がとても良かった。
備え付けのシャンプーやボディーソープも、墨入りだとかオレンジ入りだとか何種類かあって凝っている。
お湯は掛け流しで酸性泉。
臭いはほとんど無いが、薄めたレモン水のように酸っぱい。
やはり絞ったレモン果汁を薄めたようにほんの僅かに濁っている。
湯の花は石膏を削ったように白いかけらのようなものが漂っていた。
露天風呂もあるのでそちらに出てみると・・・あれ?
一人先客がいたがほとんど寝そべっている。
お湯が少なすぎて寝湯状態だ。
小学一年生の次女がぺったりと座ってちょうど肩が出るくらい。清掃してまだ溜まりきっていないんだろうか。
先客のお姉さんはすぐに内湯に戻ってしまったので、後は貸切風呂のようだった。
肌触りきしきし。
最初は軽めの浴感だが、しばらく入っていると肌がぴりぴりずしんと来る。
露天風呂の木筒の湯口からは、焼きたてパンのような発酵した香ばしい臭いがしていた。
ところでニコニコ共和国がどうなったのか気になっていた。温泉街の中心地に観光案内所があって、そこにだけ「ニコニコ共和国国会議事堂」という看板が掲げられていた他は、それらしいものを何も見なかったので。
実はニコニコ共和国はもう存在しない。
2006年9月、25年の独立国としての歴史に幕を下ろし、日本国と合併したのだそうだ。これももしかしたら平成の大合併のひとつかもしれない(笑)。