子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★☆☆☆ 温度は少し熱め、お湯も酸性なので少し沁みるかも
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 貸切り風呂や休憩室あり
子連れ家族のための温泉ポイント
いつも混んでいると評判の日帰り温泉。いや、共同浴場と言った方がいいのか?
人気があるのも当たり前で、乳白色の濁り湯で効能に定評のある高湯温泉に大人一人たったの250円で入れるのだから。しかもこれがなかなか素敵な露天風呂ときている。
夏の賑わいも終わり、紅葉にはまだ早い季節の平日の朝一番に訪ねると流石に空いていた。他にお客さんは誰もいない。
お湯は高湯温泉でも最も多くの宿に引かれている高湯26番 滝の湯で、昨夜泊まって夕に朝に何度も入った高湯のんびり館とまったく同じ源泉なのだが、こちらのあったか湯の方が湧出地には近い。なんたって駐車場から見下ろすと、すぐ下に源泉井戸がある。
あったか湯は国の交付金を受けて福島市が建設し、高湯温泉旅館協同組合が管理運営を行っている。その経緯は脱衣所の壁に掲示され(web上では公式サイトのよくある質問で読める)、そこに行政より「温泉施設の日帰り入浴営業と競合する物を本当に作ってよいのか」と何度も問われたが、最終的に全旅館の念書を集めたと記載されているのがなんともなまなましい。
館内はとても綺麗で休憩室なども整備されている。2016年3月1日に漏電が原因の火災事故があったが、6月に営業再開。私が入浴したのは9月だから、既に再開して3ヶ月が過ぎていることになる。
しかし火事のもととなった漏電は、そもそも温泉ガスの腐食によるものだというから、それだけ高湯温泉そのものが強い温泉だとも言える。実際、あったか湯に露天風呂しかないのも、硫化水素ガス対策だというから。
脱衣所から出ると、思わずうわぁと喜びの声を上げたくなる青白い濁り湯。周囲は囲われていて展望は無いがススキが植えられていて秋の気配を感じさせる。
レモンのような酸っぱいにおいと焦げたにおい、するすると滑るような肌触りはのんびり館のお風呂と同じだが、やはり源泉に近いせいか、湯の花の細かさが違う。もちろん偽りなく源泉掛け流し。濁りに粉っぽさがなく、完全に溶けているように見える。これがなんとも美しいミルキーブルーの色を醸し出す理由かもしれない。
但し、お湯に溶け込んでいる分とは別に、白い湯の花はそれなりに舞っている。結晶のようにきらきらと浮いているところもある。湯船の岩がお湯に触れるところだけ漂白されたように真っ白になっているのも綺麗。
お湯は熱めなので木の樋を通して露天風呂の周りをまわり道させて少しでも自然に温度が下がるよう工夫されている。各旅館に引き湯する際もパイプにしないで上を開けた樋にしているのは、硫化水素ガスを逃がすため。
のぼせたなと思うと、スーッと秋の風がまとわりつく暖気を奪っていく。こんないいお湯を独り占めできるとは幸甚の至り。