子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 内湯は少し熱めだが露天風呂はぬるめ、泉質は心配なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 全て貸切りで使えるので子連れも安心
子連れ家族のための温泉ポイント
仕事柄、ついつい記事のしやすさを考えて、ユニークな取り組みをしている宿を選びがち。ここもそう。ロフト形式の個性的な客室と、客室数が少ないのに貸切り風呂が三つというのに惹かれて予約。我が家の予算的にはかなりお高い宿だったが(あくまでも我が家の予算ではね)、えいやっとクリックした。
が、しかし残念ながら「谷屋」は取材お断りの宿だった。事前にお伺いしたときにお断りされて、ご丁寧にチェックイン時に再度お断りの念を押された。ただし、個人のブログ等に書くのは規制できないから自由だそうだ。そういうわけでここに書いている。
お断りと言っても、最大手ではない数年前のガイドブックには掲載されていたし、宿に置いてあった小さい良宿特集みたいな冊子にも載っていたから、おつきあいのあるメディアには載せているかもしれないし、以前は取材を受けていた時代もあるのかもしれない。その辺はわからない。
お値段相応の宿かというと、そうとも言えるし、微妙とも言える。こぢんまりとしていながら、隅々まで手を抜かない行き届いた和モダンの宿であることは確か。雰囲気作りは非常に巧い。
ただちょっと気位の高そうなところがあって、くつろげないのも確か。あたたかい宿というより、こだわりぬいた宿というところ。
客室は7室。全部がデザイン違いでうち1室が温泉付き。泊まった部屋は十六夜桜というリビング8畳+ロフト8畳の2階建て。アンティーク感があって本当に素敵だった。全然普通の旅館ぽくない。
お風呂は「湯山」「湯姫」「湯月」と名付けられている。女将曰く、全部雰囲気が違うからぜひ三つとも入ってみてと。
順番に紹介すると、まず「湯山」は一番普通。壁にがっちりはまった感じの岩風呂。石手川のあぶら石を使っているそう。
「湯姫」が最もユニーク。最初に見たときは「白雪姫の風呂?」と思った。円形の内湯に、壁のタイルに描かれた印象的なツバキの木。ここだけ露天風呂付きで、まあ露天風呂と言っても開放感は全然無いのだが、植木の陰で水車も回っている。
最後に「湯月」。一見普通の石畳調の浴槽だが、奥の方に座れる段差があり、何故か小窓の外に酒の瓶みたいなものが並べてある。
お湯は無色透明。においは少し甘いような感じだが、主なものは消毒のカルキ臭。加熱循環しているようだし、これはもう道後温泉ではしょうがないのだろう。すべすべする手触りは顕著。露天風呂はぬるめだったのになかなかよく温まる。
髪を洗った後は、指の間に少しにゅるっとくる手触りも。湯上がりの肌はすべすべになる。
食事に関しては、夕食も朝食もえらく洒落ていた。小さな宿なのに、夕食と朝食で場所を変えて取るのも驚いた。本当に雰囲気作りには長けた宿なので、若いカップルが奮発して泊まるにも向いているかもね。