子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温はぬるめ、泉質も特に問題なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆ お湯の透明度が低いため、お風呂の深さが判りにくいので注意
子連れ家族のための温泉ポイント
11月も半ばを過ぎると、そろそろ紅葉の季節も終わりかなという気がしてくる。
寒さが日一日と厳しくなり、山の上ではもう木の葉は全て落ち、既に真っ白に染まっているところもあるだろう。
東京から遅い紅葉を楽しもうと思ったら、温暖な房総半島を訪ねるのが良いかもしれない。
特に養老渓谷の辺りは東京の隣県とは思えないほど鄙びた田舎風景が広がっている。
手前の駐車場から川沿いに歩いていくと、一瞬、観光名所かと思うような鄙びた瓦屋根の老川簡易郵便局があって、それから緑なす川にかかる赤い橋が見え、ちょっと下ったところに悠遊湯乃宿 新川が建っていた。
入り口の前に源泉の飲泉所が設けられている。
そして屋根のついた岩からちょろちょろと源泉が流れている。
千葉県の飲泉許可第一号なのだそうだ。
飲んでみると・・・それほど美味しくはない。少し塩味があるかな。臭いは意外にも薄い硫黄の臭い。
食事をすると入浴料が無料になるそうだが、食事代自体が3千円からと高めなので、今回は入浴だけでお願いすることにした。
建物の中に入らず直接川沿いに行くと露天風呂が、館内に洞窟状の内風呂があるという。
新川の露天風呂はとても良い雰囲気だった。
ロケーションは一目で気に入った。
川に面していて、浴槽は石造りだが岩ではなく大きなタイル状に切り出した平たい石を使っている。
お湯はコーヒーのように真っ黒だ。
一昨日立ち寄ったの御宿天然温泉元湯や、以前に入った養老温泉の養老館と同じくらい。
でも御宿のような強いすべすべ感は感じられない。肌触りはごく普通。
臭いは先ほどの源泉の印象から硫黄の臭いがしたら嬉しいなと思ったけれど、むしろ立ち上るアンモニア臭の方が強い。
この臭いは東京の深層部から湧く温泉に近い感じだ。
新川の温泉は濾過加熱循環だけれども、塩素ではなく銀イオンを使って殺菌消毒を行っている。
熱からずぬるからず、他にだれもお客さんがいなくて、二家族で悠々のんびりと入れた。
ふと川の方を見やると、せり出したもみじが僅かに色づいていた。
秋だねぇ。
さて、新川にはもう一つ自慢のお風呂がある。
館内の洞窟風呂だ。
玄関でスリッパに履き替えて、下へ降りる階段を覗き込むと、何だか怪しげな雰囲気。
階段自体が狭く見通しが悪く洞窟めいている。
下からむわっと熱気が上がってきた。
地下洞窟風呂には天然サウナというキャッチコピーがついていたが、脱衣所から既にサウナ状態で着ている服が張り付きそうだ。
なんだかちょっと先月行った鳴子のホテル瀧嶋の薬湯を思い出すシチュエーション。
お風呂はそれほど広くはないのだが、湯気が籠もって洞窟風で薄暗く、しかもお湯が黒いことも相まって、ぱっと見は奥深くまで続いているように見えてしまう。
先ほど露天風呂で感じたアンモニア臭が、籠もっている分、より強く感じられてあまり長くは入っていられない。
確かにミストサウナ風の効果は高いかもしれないが、閉鎖的な印象もそれほど好きになれず、長湯はできなかった。
それに地下と言っても何故か窓がある。
窓を開けてみると中途半端な庭園みたいなものが見えて妙な感じだった。よく見ると、窓は開けないで下さいとも書いてある。しまった、これ、開けてはいけないものだったらしい。
湯上がりの肌はまあまあすべすべ。
よく温まって暑いくらい。
個人的にはやっぱり新川のお風呂は露天風呂の方が良かったなという印象だった。
訪問したのは10月半ばだったが、養老渓谷の紅葉は11月後半からが見頃。ゆっくり12月半ばまで楽しめる。
但し養老渓谷は道路状況が良いとは言えず、紅葉時期は渋滞で駐車する場所を見つけるのに一苦労。
養老温泉に宿泊すれば少なくとも、駐車場の心配はいらなくなる。