子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★★ 泉質★★★★☆ 湯温は適温、塩分が濃いので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★☆☆☆ 脱衣所にお着替え台有り、季節によっては苺風呂など子供が喜ぶお風呂有り
子連れ家族のための温泉ポイント
最初はみのりの湯に行く予定は無かった。
というのは、キッザニア関連でオークビレッジ柏の葉に行くことになったときに、近隣の温泉をgoogle mapで検索したところ、およそ4キロの範囲内には極楽湯 柏店とゆの華 柏店の二軒だけが表示されて、若柴循環バスを使ってこの二軒だけを回る計画を立てたからだ。
最初の齟齬は循環バスの回る向きだった。私は勝手に時計回りだと思っていたのだが、実際は反時計回りで逆向きのバスは無い。
だから予定と逆の順番で周らざるを得なくなった。そしてバスに若柴で乗ったら、何と二つ目の停留所の庚塚で突然「天然温泉みのりの湯」の看板と駐車場が見えた。えっ、えっ、こんなところにも温泉あるの?
大層焦る。みのりの湯なんて調べた中に無かった。ここでバスを降りて行ってみた方がいいんだろうか。でもどういうところか全然わからないし・・・。
迷っているうちに当然バスは発車してしまい、私は降りる機会を逸してしまった。しかし改めて地図を確認すると、循環バスでぐるっと回って最後に訪問する極楽湯からこのみのりの湯は徒歩圏にあるようだ。ということは、かなり効率は悪いが、極楽湯に入った後の帰りがけに極楽湯から徒歩でみのりの湯に行く計画も立てられなくも無い。
ただその場合は、みのりの湯に入った後、オークビレッジ柏の葉に戻る足が困難だが(なんせ循環バスは逆回りしないから)。
で、結局迷ったものの、3時15分ぐらいに極楽湯を出て、蒸し暑い中がしがしと10分ほど住宅街を歩いて3時25分頃みのりの湯に到着した。オークビレッジ柏の葉に4時までに戻らなくてはならないから、残る時間は入浴・移動を含めて35分ほど。
しかし下駄箱に靴を入れて受付カウンターの方を見たら・・・カウンターの上に記載された料金は土日で大人一人1,890円!!(当時の料金設定、現在はもっと高い!)
思わずくるりと背を向ける。今回ってきたゆの華柏店は700円、極楽湯柏店は780円。ちょっとみのりの湯のこの料金は高すぎるのでは!?
いやいや中にいろいろ施設があるので一日のんびりするつもりなら高くは無いのかもしれない。でも今自分に残された時間は30分程度。これに2千円も払うだけの価値が果たしてあるのだろうか。
小心者の自分は流石に焦っていったんは靴を履いてまた外に出たのだが、やっぱり諦めきれず何故かスマホでみのりの湯を検索した。
すると、みのりの湯の公式サイトには千円ちょっとの料金設定も載っていた。なになに、フェイスタオルだけ付けた入浴のみコースもあるの? なぁんだ。
しかも悩んでいた私の目の前を一台のバスが通り過ぎた。どうやらあれは循環バスとはまた別の路線を走るバスで、オークビレッジ柏の葉のある柏の葉キャンパス駅の方へ行く1時間に1本のバスだ。
これはもう、何がどうあってもみのりの湯に寄っていけってことか?
みのりの湯の館内はごちゃごちゃとしていた。何やら演歌か民謡のような音楽が流れている。
温泉好きでいろいろな日帰り温泉に入ってきた私だが、いわゆる健康ランド系の温泉はほとんど知らない。
これがそうなのかなぁと思いながら浴室へ急ぐ。
館内で演劇や歌謡ショーが行われる温泉というのも自分にとっては新鮮だ。本日のお芝居のポスターが貼られ、着流し姿に目立つ金髪の出演者らしい人をファンとおぼしき年配の女性が囲んでいる。館内は極楽湯同様ファミリーが多いが、ゆの華以上に年配者も目立つ。
時間が無いので急いで入ると、内湯も温泉。色は透明感はあるがかなり濃い褐色、コーヒーの色に近い黒湯だった。
肌触りはとてもすべすべとして、重曹分が感じられる。臭いは品の良い感じで僅かな油臭。
都内などと同様深い地盤に古代海水系の濃厚な茶色の塩泉が溜まっていて、もう少し浅いところに黒い重曹泉、これらが混ざって湧出しているそうだ。
露天風呂はまた凄かった、いろいろな意味で。
まずやけに南国風。昭和の初めの憧れのハワイみたいな感じ。
特に左端の浴槽に度肝を抜かれる。なんとショッキングな蛍光ピンク色のお湯。しかも甘いイチゴの匂い。季節限定らしいが、かき氷のシロップに浸かっているような気になる。
それから真ん中あたりに壺湯が二つ並んでいたが先客がいたのでスルーして右端の浴槽に行く。まあここは普通の温泉浴槽。寝湯も付いている。
しかしここに入ってすぐに壺湯が空いた。時間も限られているので入っておくかと壺湯に近づいたところ、壺の上に掲げられた看板に「夏季限定 源泉掛け流し」の文字が。
これはラッキーと入ると、予想以上に冷たくひんや~りとした。
といってもプールほどには冷たくないので入る途中で躊躇うほどではない。
なぜか湯口の所に濾過用の布の袋が下げられて、それが膨らんだチューブのようになっているが、とにかくひんやりスベスベの上質の源泉が惜しげもなく注がれている。みのりの湯まで歩いてきて熱中症になりそうだった体が急速にクールダウンして至極快適に感じられる。
それにしてもこのお湯は凄い。何から何まで今求めていたそのものという感じ。
入浴料が高くても入った価値があるし、一見非効率的に見えても偶然にも最後にみのりの湯を持ってきたことが完璧な〆になっている。
この浴槽が夏季限定なんてもったいない。
もったいけないけど涼しくなって加熱するなら循環してしまうんだろう。
本当に今の時期だけの貴重なお風呂だ。
隣の壺湯に親子連れがやってきた。温泉の冷たさにはしゃいでお母さんに抱き着いていた。
さて・・・と、上がった後、どうやって柏の葉に戻ろう。バスはあと1時間近くやってこないし。
ちょうどみのりの湯の送迎バスも出るところだったが、聞いてみると柏駅には行くが、柏の葉キャンパス駅方面には行かないとのこと。
困った・・・そう思っていたところへスーッと一台のタクシーが近づいてきた。しょうがない、これで帰るかな。