子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 滑りやすい泉質なので注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベビーベッド代わりのベンチあり
子連れ家族のための温泉ポイント
このころの秋田県は首都圏からの旅行者に対する視線が厳しいと聞いていたから、この時も東北を山形⇒岩手⇒福島と回る途中でほんのちょっとだけ秋田県に入って一軒だけ温泉に立ち寄ったけれど、最初は断られるんじゃないかと思っていた。
それくらい当時の都民は嫌われていたし当の本人はめちゃめちゃ傷ついていた。
そんな感じでびくびくしながら県境を越えて戸波鉱泉に立ち寄ったわけだけど、施設の女将さんはとても明るく優しく温かく歓迎してくれて、内心泣いた。ありがたくて。
戸波鉱泉は果樹園の中を蛇行する一本道の先に建つ一軒宿。いや、宿じゃないな。泊まれない。日帰り温泉だった。個人宅のような湯治場のようなところ。
お風呂は男女別の内湯のみ。有機的なカーブを描く個性的な形の浴槽で、レトロな丸タイル張り。
お湯は薄い鈍い緑濁で、最初は湯口の上にネットに入れて載せてあったヒノキの香りが強く感じられたが、後から時間の経った硫黄臭。
全体としてはヌルヌルとした肌触りで、指の間にもっと厚みのあるジェル的なにゅるにゅるを感じる…と思ったら、だんだんと全体的にヌルヌルからにゅるにゅるに変わってきた。不思議。
源泉温度は13度ととても低いが、加熱して41~42度ぐらいのほどよい温度に調節してある。味は舌にぬるつきが残るような感じ。
浴槽の段が1段目は浅く、そこから急に深くなる。浅いところは寝湯のようにお尻だけ浸したい。そしてしばらく入っているとにおいがミントみたいに変わってきた。妙に爽やかでこれも不思議。
館内やトイレにも手描きの温かみのある張り紙があって独特の雰囲気を醸し出している。帰る時にはとても嬉しい気持ちになっていたので、本当に寄ってよかったと思う温泉。