6月3日(月)
目が覚めるとカラスが五月蠅かった。ここは街から近い割に緑がいっぱいで良いのだが、珍しい動物のかわりにあらわれるのは、残念ながら野良猫とカラスばかりだ。
シュラフを干したり、動物たちにキャベツをやりにいったりしていたので、撤収はお昼近くになってしまった。
ここのサイトは、芝生というよりクローバー、カタバミ、タンポポといった牧草、雑草系なので、あたり一面、白や黄色の花が咲いていたりして綺麗だ。蝶も多いので、子供達は花を摘んだり蝶を追ったりしている。
今日は養老渓谷へ行ってみようと思っていた。
私たちは滅多に房総方面に向けて車を走らせないが、昔、たぶん結婚するより前、一度だけダンナと私は、房総へ向かったことがある。
その時の目的地が養老渓谷だったのだが、房総につくまでに渋滞し、養老渓谷のそばでも渋滞し、挙げ句の果てには、空いている駐車場を見つけることができず、車を停めることができないまま、養老渓谷を過ぎてしまった。仕方がないので房総の海を見て帰ったが、いつかリターンマッチをしてやると密かに思っていたのだ。
今でもあの辺りが混んでいるか判らないが、とにかく今日は平日。ここからなら場所的にも近いし、混雑で苦労することはないであろう。
養老渓谷が近づくにつれて空が曇ってきた。渓谷で水遊びという天気では無さそうだ。
となると、取りあえず昼食とお風呂を探すことになる。黒い湯の
元祖 養老館か、眺めの良い露天風呂のある
秘湯の宿 滝見苑かと迷ったが、千葉には割と多いという真っ黒な湯に入ってみたくて、養老館を選んだ。
朱塗りの橋が見えてくると、すぐだ。かなり年季の入った建物。日帰り入浴1000円、昼食1000円からと入り口に書いてあるが、昼食と入浴をセットにすると入浴を300円引いてくれるので、ちょっとお得。
平安風呂とはどんな風呂だろうと思いながら廊下を行くと…浴室は独立した棟のようだ。露天風呂は無い。
浴室の手前には池があって、鯉が沢山泳いでいる。子供達はおおはしゃぎ。
広くはない脱衣所で脱いで、浴室に入ると、初めて見る黒湯にびっくり。
千葉には黒い温泉が多いというが、実際に入るのは初めてだ。もう、笑っちゃうほど黒い。硯の中をのぞき込んだようだ。
とにかく湯の色にインパクトがあるが、見た目以上に凄く良い温泉で、これまたびっくり。私の好きなにゅるっとくる感じは薄いが、きしきしせず、柔らかく、非常にすべすべする。飲泉コップもあって、少し塩辛い。ちょっと海苔のような匂い。底がぬるぬるするので滑りやすいが、熱すぎたり深すぎたりはしないので、子供でも大丈夫そうだ。
私はこの温泉、大変気に入ったが、ダンナと入った二人の子供達は、真っ黒な湯に恐れを成して、ほとんど入ろうとしなかったらしい。底が見えなくて怖いという話だが、白濁湯には喜んではいるので、見える見えないだけの問題じゃないらしい。
入浴前にランチを注文しておいたので、あがってからすぐ、食事ができた。
宿泊者の夕食に使っているらしい広間は、他に誰もいなくて貸切状態。この辺りの名物であるしし鍋を頼んだ。
ひとしきりくつろいで、養老館を後にすると、何やら空が晴れてきた。
養老渓谷を少し見るか、あるいは露天風呂に入ってみるかと、今度は滝見苑へ向かうことにした。
滝見苑へ向かう道々、滝見苑の捨て看板をそこら中で見かけた。ランチやってます。日帰り入浴歓迎。露天風呂あります。仕舞いには、オートキャンプ場もありますと来た。手広くやっている。
建物自体は新しくないが、入り口は作り替えているらしく、とても綺麗だ。
パーキングは80台収容となっているが、粟又の滝遊歩道などで遊ぶ一般客も使うため、宿泊者以外は一時間300円(日帰り入浴利用の場合は1時間まで無料)。
館内も浴室の入り口もとても綺麗にできていて、期待できるかなと思ったのだが、残念、お湯は三流だった。強力な循環で、露天風呂も塩素っぽい匂いがあるし、入った感じも特に特徴のない湯。
試しに足下にあった内湯の吸い込み口を踏んでみると、ざあざあと勢い良く流れていたお湯が、ぴたりと止まったので、入浴客が全員振り向いてしまった(笑)。こそこそと足を外すと、数秒して、再び音を立てて流れ始めた。
露天風呂からの眺めも期待したほどではなかった。一応隣の山の新緑は見える。
露天風呂は、男女とも二つずつある。女湯の露天風呂は、二つ並べて作ってあったが、お湯の温度も変わらないし、どちらも屋根付きの岩風呂で、二つも作る必要性があるんだろうかと疑問になってしまった。混雑したときは、一つでは足りないということか。確かに、養老館の風呂が貸切状態だったのに比べて、こちらは平日だというのに、日帰り客がかなり入っていた。
たぶん辛口評価になってしまうのは、養老館のお湯が良かったからだ。逆の順番で入れば良かった。
パパはというと、養老館では娘二人と入ったから、今度は一人でのんびりだ。一人で気兼ねなく入れると、やはり甘口評価になってしまうらしい(私の養老館がそうだったかも(笑))。
子供達は露天風呂でも、遊びに来た蝶と戯れていた。
とりあえず、黒くないお湯は怖くないらしい。
お風呂から上がって、お約束のソフトクリーム。姉妹で仲良く食べる。
ちょうど一時間ほどいたので、駐車場が無料のうちに車を出してしまった。
…養老渓谷に来て、温泉にばかり入っていて、渓谷を見てないぞ。
我が家らしいというか…。
車が走り出すとすぐに、立て続けに二つも温泉に入らされた娘達は爆睡してしまった。眠っているうちに、東京へ…。帰りは早かった。
こうして子供達の初めてのキャンプは終わった。
次はどこへ行こう…。
娘達の面倒を見てくれて、れもん家ファミリーには大感謝。どうかまた遊んでね。
おしまい。