大きいけれどどことなく昭和を感じさせるロビー。
券売機で入浴券を購入し、受付にそれを出して浴室へ。
浴室に一歩入ってうわぁっとなる。ああこれは入っておくべき温泉だわ。
浴室全体がまだらに赤茶色に染まっている。
右側に角を丸めた四角い浴槽が大小。
その大きい方の湯口がドライヤーの熱風が出るところに取り付ける平たい口みたいな形になっていて、そこからどぼどぼと大量のお湯が注がれている。溢れた分は床をざぶざぶ流れていく。
その大きい方は適温で、小さい方はぬるめだった。
長湯温泉の万象の湯とか御前湯みたいな笹濁り系の少々緑の入った鈍い色の濁り湯で、鉄をこすったような甘い金属臭が強い。
そうそう大きい浴槽は思ったより深くて、濁り湯であまり下が見えないから入る時びっくりした。
浴室の奥に打たせ湯ありと書いてあったが、先客のおばちゃんがドライヤー湯口のお湯を肩にあてはじめた。横に広いから肩の端から端まで当たりそう。
そしてその二つの浴槽の他に、左側に一つだけ長丸型の浴槽がぽつんとある。何だか位置も形も他の二つと比べて浮いている。
お湯の色もここだけ違う。濁りが少なく黄色や緑の色が抜けている感じ。
ここは熱かった。しかもなんと泡が付くのにびっくり。
こんなに熱い湯なのに炭酸が抜けていない感じ。お湯の出る口も浴槽の中にあってそこから静かに入れているみたい。
細かい泡は全身にびっしりと付く、ただそれが浮いてくるようすは無い。でも触るとわかる。泡だ泡。
この長丸の浴槽が一番気に入って、しばらくここに両膝を抱えて入っていた。
上がる時、常連のお客さんと話をしたが、ここは岩木山神社の帰りにみんな寄っていく温泉で、茨城や千葉からも来る(何故に茨城千葉?)。
昔は浴槽によって温度差があったが、一部作り替えた後は、今は全部熱くなっちゃったとのこと。