「あれれ?」
思わず車窓の景色から眼を外し、カーナビを確かめる。
「街中は通らないんじゃなかったっけ?」
岩木山方面に行くのにいったんわざわざ大鰐温泉まで南下したのは、弘前市内を迂回するためじゃなかったっけか?
なのにいつの間にか町のど真ん中を走っている。
どうも大鰐温泉から嶽温泉方面を入力したところ、カーナビは弘前の中心部を経由するルートを選択し、夫は深く考えずにそれに従って車を走らせたようだ。
別に渋滞していないからそれでも構わないのだが。
というか・・・
「あーっ、お城、お城、前方に弘前城だって」
道路標識を指差して興奮する私。
通るつもりは無かったかもしれないけど、弘前に来ちゃったんならお城見ていこうよ、弘前城!
「お城?」
「お城」
「・・・」
夫はしょうがないなといいながら、いったんは通り過ぎた道をUターンして駐車場を探した。
場所は追手門通り。
弘前市立観光館の地下に立派な有料車場があった。
ここに車を入れたってことはがっちり弘前観光するって思っていいんだよね?
弘前城はもちろん、弘前の洋館めぐりとか、お洒落なランチとか、お土産のお菓子とか、期待していいんだよね?
目の前の追手門から城の敷地内には入れる模様。
あとちょうどこの追手門周辺に旧市立図書館や青森銀行記念館などの洋館が集まっているみたい。
城を見てから洋館めぐりをすることにした。
タクシーがたくさん客待ちをしている追手門周辺には観光客も多い。
そして国の重要文化財に指定されているという追手門を潜り、公園のように整備されている壕内へ。