◆◇青森温泉紀行◇◆
下北半島-十和田-岩木山麓

7.龍神祭りを待って

　メモリアルロードから見下ろす港の船には大漁旗がはためいていた。
　龍神祭りの準備だろう。次はあそこに行ってみよう。

　・・と、港に行く前にさつき荘をチェックアウト。
　この宿は本当に良い宿だった。またぜひ泊りに来たいと思う。
　そして車に荷物を移して、下風呂漁港へ。
　今朝も天気は悪い。
　雨は降っていないが空は昨日と同じ灰色。日差しは無い。
　何艘かの漁船に日の丸国旗とカラフルな大漁旗が掲げられているが、とにかく曇天の下では鮮やかさが失われている。
　しかもひと気が無い。全然港に人がいないことも無いが、ほとんどいないと言ってよい。
　さつき荘に聞いた話では10時から祭りが始まると言っていたが、あと30分でいきなり大勢やってきてスタートするとも思えない。
　人のいない港で大漁旗だけがはためいている様子は何やらリアルではなく映画の画面でも見ているかのようだ。

　防波堤まで歩いてみたがやっぱり祭りが始まる前の喧騒などは微塵も無く、カモメが鳴いているばかり。
　風が強い。
　今朝の天気予報でも確か波浪注意報が出ていた。龍神祭りは中止、あるいは行われるとしても時刻を遅らせるのかもしれない。
　結局9時50分ぐらいまで港にいたが、見かけたのはほんの2、3人。
　それも高揚しているでも無く急ぐでも無く日常のそのままに歩いているだけで、船に乗る気配も無かった。
　港には活イカを競わせる観光施設　活イカ備蓄センターの「元祖 烏賊様レース」会場があるが、ここもひっそりとしていて入口には「本日、活イカの入荷はございません」という張り紙が貼られていた。