歩き出すと石塀に「鉄道アーチ橋」という表示を夫が見つけた。
「鉄道ってことは、やっぱり今朝、朝食時に見つけたあれは駅だったのかな」と夫。鉄道に興味の薄い自分は鉄道アーチ橋の表示を見てもまったくそんなこと思いださなかった。
しかし、下風呂温泉に鉄道なんて通っていたかな。
その理由は新湯に入った後、メモリアルロードの足湯を訪ねてわかるが。
新湯は小山を背にして立っていた。坂道のどん詰まりだ。三角屋根の建物は大湯にも似ている。看板がはげかけているところも同じだ。
ここも番台で「熱いよ」って言われる。これで何度目だ?
建物の外観、脱衣所、浴室などは大湯とよく似ているが、ここは浴槽は一つだけ。
縁は水色に塗ってあって、斜めに湯口のパイプが入っているのが特徴的。
新湯のお湯は無色透明だった。透明のお湯は下風呂では初めてだ。酸っぱいにおいがする。
入ると肌が溶けるようなぬるっとする感じがあり、ぴりりっとくる。傷があったらやばいやつだ。味も酸っぱい。
何故か手の指の股の部分がひりひりするなと思ったが、これは上がる時に理由が判った。何度も沢山の温泉に入って、その度に湯上りに手ぬぐいをぎゅっと絞っていたので、知らないうちに指に細かい傷ができていたらしい。愛用しているのがパイル地のタオルじゃなくて平織りのさらし手ぬぐいだから。
ちなみに夫は手足の指先の末梢神経が通っている辺りがぴりぴり痛かったそうだ。
温度は大湯のぬるめ浴槽よりわずかにぬるい。つまりほぼ適温。
先客によると自分が来る前に番台の人があまりに熱いので源泉を一時的に止めて温度を下げてくれたと言う。基本は熱い湯で、今、加水したわけじゃないらしい。
これまで特にそうはならなかったが、ここに入って急に指がしわしわに。
このしわしわぶりが凄い。指の先が気持ち悪いくらいに縦じわだらけ
湯上りは汗が止まらず、そのままメモリアルロードまで散歩することにした。