天寧温泉はフロアは伏見の湯なんかと同じ階にある。エレベーターを降りて左が伏見の湯なんかの大浴場へ至る廊下だが、確か右側にも矢印があって、貸切だとかうねうねした文字で天寧だとか書いてあったような気がした。
廊下を曲がって見つけた天寧温泉の暖簾が下がった浴室には果たして「只今のお時間は女性浴場」のパウチされた紙が恐らく貸切と書かれた札の上に提げられている。
意外とこれは盲点だと思いながら中に入ると、思った通り誰も入っていない。
暖簾を潜って脱衣所の広さに驚く。ベビーベッドや扇風機だけでなく隅には独立したサウナの入口まである。
いったいどこが貸切風呂? 普通の大浴場では? と、ハテナがいっぱいになったが、後からよく見ると貸切大浴場と書かれていた。つまり普通に大浴場に使える設備を貸切で貸し出しているということだ。
浴室も見たが少し古びている他は特に貸切で利用して嬉しい洒落た感じは無い。何というか、庶民的なのだ。この
庄助の宿瀧の湯で一番庶民的、いやいや昨日巡った会津東山温泉と芦ノ牧温泉の旅館のお風呂の中で一番庶民的な感じのする浴室。
貸切で3千円と言われてイメージする景色がいいとか、高級感があるとか、プライベート感があるとか、そういうお風呂ではなく、赤ちゃん連れや大家族向けといったところか。
実際この浴室にはベビーバスやベビー用の椅子など沢山用意されていた。
でも一番びっくりしたのは何気なくその辺に置いてあるパウチされた分析表。
山口源泉とあった。
伏見の湯や庄助風呂などの大浴場は東山温泉管理組合混合泉だったよ。それがこっそり貸切大浴場のここで独自源泉単独遣いと来た。
どうしてこう福島の温泉は予想外のパンチを繰り出してくるんだろう。
ちなみに庄助の宿瀧の湯では他にも伏見が滝源泉、瀧の湯源泉などを引いている。まったく油断も隙もありゃしない。