◆◇会津東山温泉巡り◇◆
陽が差してきたので急な石段は息が切れた。
すれ違うのもやっとの狭い石段で、手すりにつかまりながらふうふう言って登る。
石段の上まで昇って振り返ると、そこはまさに大内宿の全容を俯瞰する場所であることがわかった。
先に昇ってきたグループが交代しながら写真を撮っている。
真っ直ぐにのびる白茶けた通りの両側に整然と立ち並ぶ茅葺屋根の家々。
それは何だか妙におもちゃめいて、時代劇の作り物のようにも思われた。
屋根が茅葺でも遠くに見える鉄塔を含め、あちこちに見慣れた現代の痕跡があるからかもしれない。
それでも構わないが。
今ある大内宿は平成の大内宿で、江戸時代の大内宿は侍や馬が闊歩した大内宿であったろうから。