反射炉といのは炎や熱を天井部分で反射させて高温で金属を融解させるアーチ形の炉で、不純物を減らした高純度の鉄を生成することができる装置だ。
国内で最初の反射炉は佐賀に作られ、その後鹿児島、伊豆、水戸、萩と各地に建造された。
萩に作られたものは実用炉ではなく、試験炉であったという見方が主流のようだが、当時作られた反射炉のうち、現存するのは萩と伊豆韮山の二ヶ所のみとなる(伊豆韮山の反射炉も今回萩とともに世界遺産に)。
世界遺産で話題になっているためか、萩反射炉は賑わっていた。
ボランティアの説明の人も何人かいた。
私は反射炉って聞いてもどんなものかイメージできなかったので、見えてきたその装置に結構目を見張った。
ウサギの耳のような二本の煙突を載せた、レンガ積みの塔・・・みたいな?
近づいてみたらレンガなのは炉の入り口のアーチ状の部分ぐらいで、全体は安山岩を積み上げて赤土で固めているのがわかった。
煙突の上の方が赤茶けている。あそこから煙が上がっていたのか。
柵があって触ることはできないが、周囲をぐるっと一周することはできる。
試験用ってことは、これ、作ったのに使えなかったってことか。なんか勿体ない。
でも見上げていると先人の皆様方が、欧米の産業革命に追いつけしがみつけと死に物狂いで努力したさまが想像できる。
今の日本の工業や経済の礎となったもののひとつがここにある。そんな感じ。