さらに下流に移動するともみじ谷大吊り橋がある。
ここはガイドブックにも載っている塩原随一の景勝地で、無補剛桁歩道吊橋としては、本州最大級の全長320m。
駐車場入り口にまたまたスープ焼きそばの店があり、橋の通行料料金所わきには売店とレストランがある。
売店やレストランの建物は小規模な道の駅みたいな雰囲気。
植物も売っていたので、夫はそれを見ているからひとりで橋を渡ってきていいよと私を送り出した。
というわけで、通行料を払いに料金所ブースに私が一人で行くと、私と夫のやり取りを遠目で見ていた受付のおばちゃんは、「なぁに、だんなさん、揺れるのとか、高いところ苦手なの?」と聞いてきた。
「いえいえ植物を見てる方が楽しいらしいです」
「あらそう。橋の向こう側には公園があって、猿と一緒に写真が撮れたりするのよー。一緒に渡ればいいのに」と、猿の写真を見せてくる。
「どのくらい時間が掛かるんですか?」
「ゆっくり渡って30分ぐらいかしらね。橋だけじゃなくて、公園を散策するとね」
了解。
それで夫にそのことを伝え、彼は戻ってきたら電話して、と私に言った。
橋のたもとはコスモスが風に揺れている。
真っ青な空の下の可憐なコスモスの花。
しかし橋を渡り始めた私はすぐに言葉を失った。
「・・・」