沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
今年の名護夏まつりは第30回。
主催は名護市商工会青年部で、副題として青空市とビール祭りとある。なにしろ名護市はオリオンビール発祥の地だ。
港のただっ広い敷地をまるでブロックか何かで区切ったように屋台がずらずらと何列にも並んでいる。
特にゲートを入って一番手前は、とにかくずらーっとビールの屋台。オリオンビールの幟が風でいっせいにはためいているのは壮観だった。
カナは妹のレナがいないと借りてきた猫のように大人しい。
黙って私の後からついてくる。
屋台は焼きそば、焼き鳥、綿あめなどの食べ物系が並んでいるが、どうも半数はまだ準備中。お祭りのメインは花火が上がる時刻なのかもしれないが、どうにも呑気な感じだ。
タコライスや沖縄そばの屋台もあるのがこちら風。ヤギ汁まである。
食べ物の他にはアヒルすくい、金魚すくい、玩具に結んである紐を引っ張る籤、的当て、おみくじなどの屋台。
カナにどれかやってみようよと誘いかけるがもじもじするばかりでなかなかうんと言わない。これまた本当にやりたくないわけじゃなくてもじもじしているわけだから、扱いに困る。じゃあやりたくないのねと、本当にやらずに済ませれば、後々まで愚痴愚痴と言い続けるのだ。ここがカナの一番悪いところ。
カナが一番目を見張ったのはカラーヒヨコ。
いまどきカラーヒヨコなんて見ないよ。
私も子供の頃に見たきりかな。
それがこのお祭りでは久しぶりにピヨピヨ言っているのを見た。
「・・・これ、本当の色じゃないでしょ?」
新聞紙を敷いたコンテナの中で動いているヒヨコたちを見てカナが言った。
結局アヒルすくいをひとつやった。
ヒヨコじゃない、アヒルだよ。
玩具のあひるがぐるぐる水の中を回っているのをひとつすくうのだ。砂場遊びのスコップみたいなもので。
一応屋台のおばさんがアヒルの裏を見て番号を確認したが、当たりもハズレもありしゃしないんじゃないかと思う。ここからひとつ賞品を取ってと言われたが、カナはほしいものが無かったみたいでママがスティッチのぬいぐみのついたキーチェーンをもらった。
そんなことをしているうちに、腰にぶら下げた携帯が鳴った。
出てみるとパパだった。
「駐車場に車を入れて、そっちに向かって歩いているから」
「レナはどうした?」
「起こした。ぐずぐず言っているけど」
ええい、なんでこう子供って連鎖するみたいにぐずぐず言うんだろう。