沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
とにかく私たちは荷物を背負って出発した。
パパのリュックに子どもたちの着替えを詰め、肩から掛けられる折り畳み式のクーラーボックスに今朝買ったお弁当や昨日から凍らせておいたペットボトルの飲料を入れた。
駐車場の周りを大きな綺麗な蝶が何匹も飛んでいる。駐車場にはヘゴや椰子やバナナの木が植わっていて、何だかここは日本じゃないような気がした。
駐車場を出て直ぐに川原があった。
もう道の横がいきなり川原でそこを歩いていけばすぐに川に降りられる。
なのにどういうわけかパパはそこを黙って通り過ぎ、どんどん道を先へと歩いていく。
私は息を切らせながら後を追って、後ろからパパに話しかけた。
「ねえねえ、今のところから川に降りるんじゃないの?」
パパは何も言わずに上り坂をどんどん歩き、一昨年見た道の行き止まりまでやってきた。
そして行き止まりから川に降りようとした。
ところがさっきの場所と違ってここから川に降りるのは難儀なのだ。
道は川よりかなり高いところにあるので、岩のごろごろした急な斜面を降りなくてはならない。
私はさっきの所から川に入った方が楽なのに何でわざわざこんな難しいところから川に降りるんだろうと訝しく思った。
たぶんパパは滑りやすい川の中よりも道路の方が歩きやすいから、少しでも道路を歩いて距離を稼ごうと思ったんじゃないかと思う。
一昨年、この辺りで水遊びをしていた小さい子連れ家族を見たから降りられるはずだという先入観もあったはずだ。
このとき、私はさっきの所から川に降りるんじゃないかと言った自分に、ちゃんと返事もせず置いて行くかのようにどんどん進んでしまったパパに対してムッとしていた。
実は行き止まりから川に降りてはならなかったのだ。
この時点で「変だ」と思わなくてはならなかったのだ。
だって行き止まり地点から川に降りるだけで、既に5歳児に降りられる道とは思えない感じだったからだ。
ああもちろん、後から思えば、の話だ。
そして私は「私の言葉をちゃんと聞いていたらあんなことにはならなかったのだ」とほんのちょっとだけ思っている。
とにかく私たちは岩や草に捕まりながら川まで降りた。
川幅はそこそこ広く、川はごく浅かった。
くるぶしまでぬれるかぬれないかという程度。これなら歩くのは簡単だと思われた。
でも実際に歩き始めてみると、川の中の石はどれもぬるぬると滑りやすく、馴れるまではうっかりバランスを崩すと転んでしまいそうで怖かった。
これは思ったより歩くのに時間が掛かりそうだ。