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海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

6.ソウバイビーチの探索










 さて、私は暇なので少し探検してみることにした。
 古宇利島で去年から気になっているビーチがあったからだ。
 ソウバイ・ビーチという。
 島の東側にあって、屋我地島が見えるロケーションであることは判っている。
 何の施設もない自然のビーチでシュノーケルには最適だと言う。
 
 人けも無いようなビーチで子どもを連れて泳ぐのは心配だったが、見るだけならいいだろう。
 今いる古宇利ビーチの左手には、階段状に石畳を敷き詰めた人工岸がカーブしながら続いている。
 あそこをずっと歩いていったら見えるかもしれない。

 白い人工の石畳は太陽光を反射して暑い。
 熱波で気が遠くなりそうだ。
 カーブを曲がると、すぐにみんなのいるビーチは見えなくなった。
 こんなところを歩くものはいないと思ったのか、石畳には昨日の夜の探検で見たような黒い大きなカニが沢山いて、近づくとみんな海の中に逃げ込んでしまった。
 この階段状の石畳は海の中も続いている。
 あまりに透明な海なので、途中からは海の中を歩いた。
 くるぶしに水がまとわりつく。
 冷たくて気持ちいい。

 カーブが終わるとその先は直線になっていた。
 そして数百メートル先で石畳は切れ、その先は小さな岬になっていた。





 岬の手前が少し窪んでいて、そこにへばりつくように小さなビーチがある。
 もしかしてあれがソウバイ・ビーチだろうか。
 あの向こうにもビーチはあるかもしれないが、あの岬を越えてしまうと屋我地島は見えなくなるだろうから。

 岬が近づいてくると、海に何か棒のようなものが等間隔に突き刺してあるのが目に付くようになってきた。
 何だろう。
 何か海の生き物を捕まえる罠か、さもなければ養殖場?
 棒の間にときどき白っぽいものが漂っている。
 ビニール袋か何かかなと思って近づいてみると、それは何かの内蔵だった。
 エビかカニか、何かそういうものの餌を連想させる。
 きっと島の人がここで何か捕っているか育てているのだ。
 海は相変わらず透明だったが、もう海の中を歩く気にはなれなかった。
 ビーチはごく小さなもので、その手前は干潟のようになっていた。
 ごく浅いところにナマコがうようよいる。
 水に手を入れてみると、ぬるい。
 岬の手前は潮だまりのようになって澱んでいる。水があまり流れないようだ。
 流れ着いたものが流れていかないからか、ビーチにも漂流物が多かった。
 そしてここにもさっきの養殖場のような場所から流れてきたものか、白い内蔵が浮かんでいた。

 ちょっとここで泳ぐ気にはなれないな。
 というか、今が引き潮なのか浅すぎるし。
 誰もいない。
 浅い浅い海は、まるでその先に見える屋我地島まで歩いて渡れそうな錯覚を覚えた。











6-7ウニ採り漁のおじさんへ続く


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