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海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

12.スクガラスに挑戦






 創食屋 縁 東江店は、去年は四人で夕食を食べた。
 ここは名護湾に面したテラス席から海に沈む夕日が眺められるということで、地元でも人気の高い居酒屋だ。
 客層は圧倒的に名護のサラリーマンやOL、それからカップルなどだったが、今年発売された大手出版社のガイドブックなどにずいぶん名前が載るようになったので、今は観光客も増えてきたと見られる。
 今風の都会的な洒落た内装で、琉球料理から創作料理までいろいろ揃えている。
 午後5時過ぎ。
 既に奥の大テーブルでは盛り上がっている親爺の一団がいる。
 案内されたのは窓際の席。
 落日にはまだまだ早い。





 飲み物は「全国の地酒あります」というメニューもあったが、やっぱりここは泡盛だろう。
 パパは古酒(クース)のかめ忠考を、私は私は泡盛カクテルのブルーバブルトニックを頼んだ。
 突き出しはたこ焼きの冷たいアーサあんかけ。
 食べてみたら本当にこりゃたこ焼きだ。決して不味くは無いけど、たこ焼きにあんをかけて冷やしてふにゃふにゃにしてどうするんだろう? と、首を傾げる味だった。

 「スクガラスって美味しいのかな?」と私。
 「こないだスーパーで男子学生みたいなのが、これすっごく不味いんだぜって瓶詰め指して言ってたぞ」
 「気になるんだけど」
 「頼めば」
 スクと言うのはアイゴという魚の稚魚のことで、スクガラスはこれを塩漬けにしたもの。普通は島豆腐の上に乗せて酒のつまみに食べる。
 発酵したものに好き嫌いの激しい私は、ちょっと怖いものもあるが頼んでみることにした。
 出てきた皿は可愛い。
 やっこに切られた白い島豆腐のひとつひとつにちっちゃな魚が乗っている。
 一口で食べると潮の香りが広がる。
 美味しいじゃん。特に癖もなく、適度な塩味がする。いくらでもいけそう。

 それからミミガーのピーナッツ和え、ぐるくん唐揚げ、牛肉のたたきを頼んだ。
 ミミガーは中華料理のくらげそっくりの歯ごたえ。豚の耳だなんて言われなければ判るまい。
 ぐるくんはぱりぱりに揚がっている。
 たたきもよく冷えていて美味しい。
 パパは泡盛をお代わり、私も今度はレッドバブルトニックを。






左上から、スクガラス豆腐とブルーバブルトニック(泡盛カクテル)、古酒(クース)のかめ忠考、ぐるくん唐揚げ、創食屋 縁の特等席(名護湾の夕日ビュー)、ミミガーのピーナッツ和え、たこ焼きの冷たいアーサあんかけ




4-13豆腐ように挑戦へ続く


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