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海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

4.水納島のビーチ






 さて、水納島の船着き場の両側に白いビーチは広がっている。
 海を前にして立って、左側が遊泳区域となっている。
 去年は何も考えず誘導されるまま左に来てそこで泳いだが、トイレに行く途中右側のビーチを見かけて、そちらも気になっていた。
 左側が沖に消波のための石垣があり砂地中心であるのに対し、右側は海の色からして珊瑚が多そうだった。
 海水浴に向くのは左側としても、シュノーケルして楽しいのは右側じゃないか?
 去年は8月の週末だったので人出も多く、左がパラソルでいっぱいになると、右にも沢山の観光客が流れていった。
 だから今年は最初から右側のビーチに陣取ることを考えたのだが、
 「やっぱり左にした方がいいかな」とパパ。
 左側は遊泳区域の区切りのロープがあるし、常時ライフセーバーが見張っている。右側は本当は泳いじゃいけないか、さもなければ自己責任でということになるんだろう。
 「後で様子を見て右にシュノーケルだけしに行ってもいいから、とにかくパラソルは去年と同じ場所に立てよう」
 いろいろ考えた末、結局安全な左のビーチに荷物を運びこむことにした。





 パラソルを広げる間もなく、波打ち際に駆け出して行きたくなる。
 水納島の水納ビーチにはそんな魔力がある。
 「これっぜーんぶ私のものっ」と叫びたくなるような。
 実際には振り返れば同じ一便で来た観光客がぞろぞろと砂浜を歩いているのだが。
 青と白だけの眩しい世界。
 真っ正面に伊江島のタッチューが見える。
 「早く早く浮き輪を膨らませて」
 「えー、日焼け止め塗るの嫌だー、それにクラゲ除けは塗ったら10分待たなきゃなんないんでしょー」
 子どもたちは五月蠅い。
 待って待って。
 準備が整うまでまだあと少し。

 足を浸した透明な海は少しひんやりした。
 光の波紋が震えながら広がる。
 「早く早く」と子どもたちが呼ぶけれど、意外に海が冷たかったのでいっぺんには入れない。
 そーっとそーっと。
 胸まで沈んだところで意を決して潜った。
 太陽の光が底の砂地に波が描いた文様をきらきらと反射させている。
 「こっちだよ」
 カナが呼んだ。
 水を掻く腕に水納島の海がまといつく。
 地球上にまだこんなに綺麗な海が残っているんだ・・・。











4-5海の中へ続く


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