1.水納島へ行く朝
「いいかい、島に着いてすぐのテントのところでパラソルや椅子を貸しますって勧められるけど、そこで借りちゃなんねぇ。
そいつらは新聞でも騒がれてるけど違反業者だ。
もっと奥に島の人がやっているサービスがあるから、そっちで借りてくれ。その方がパラソルとかも安くしてるから」
胸に水納島とプリントされたTシャツを着た親爺さんはそう言うと、港に停泊している小舟に乗り、沖へと戻っていった。
小舟を操る若い男性も、睨むようにずっとこちらを見ている。
観光客一人一人の動向が気になるのだろう。
ここは渡久地港。
水納島行き高速船、ニューウィングみんなが発着する本部半島の港。
そしてまもなく、本日最初の水納島行きの船が着く。
四日目 2006年7月19日(水) |
水納(みんな)島は本部半島の沖合に浮かぶクロワッサンのような形をした可愛らしい島だ。
外側はぐるりと白砂のビーチになっており、珊瑚礁に囲まれている。
沖縄本島北部の渡久地港から出る高速船で15分。
去年初めて水納島を訪れて、必ずもう一度来るとみんなで決めた場所。
そこには信じられないほど透明な海が待っている。
夏休み中は高速船が一日12往復運行するが、今日は暦上はまだ夏休み前の平日なので一日8往復。
念のため昨日、パパが電話で水納海運に確認した。
朝一番の便は渡久地港9時発。
予約はいらない。
当日直接、港に行って、その場でチケットを買えばOK。混雑するシーズンは出航30分前にはチケットを買っておいた方がいい。料金は大人往復1,490円。
去年は8月のハイシーズンに行ったので8時には船に乗っていたが、今年は1時間ゆっくり。
水納島行きは何としても始発便に乗らなくては。
あのソーダゼリー色の海と真っ白な砂浜を独り占めする気分を味わうには、誰より早く砂浜に降りなくては。
僅かに刷毛で広げたような薄雲が見えるがほぼ快晴。
朝は早起きしておにぎりをにぎって、それからクーラーボックスに昨夜凍らせたペットボトルを詰めた。
水着に着替えてラッシュガードも身につけて、帽子、サングラス、日焼け止めも忘れずに。
ビーチパラソルとレジャーシートも積んだ。
そしてもちろんシュノーケルセットも。