19.ネイチャーツアーの申し込み
今日はまだやることがある。
今回の旅行でやってみたいことのひとつに、ネイチャー系のツアーがあった。
有名なのは慶佐次川のマングローブ林をカヌーで行くようなタイプ。あとは比地大滝目指して沢登りするとか、よくガイドブックに載っているのはその辺。
全般的に小学生でもついていけそうな感じだが、我が家の小学一年生は人一倍ちびすけで文句が多い。
ついでに予算も一人5~6千円かかるので、我が家の嗜好にマッチして料金的にも満足がいくか計りかねていた。
基本的にアウトドア志向の一家ではあるが、みんなでツアーガイドにぞろぞろついていくタイプではないので。
ネイチャー系体験ツアーを催行しているショップは名護に多い。
那覇だの西海岸リゾートだのに泊まっている人たちは、わざわざここまで移動してこないとツアーに参加できないわけだが、せっかく名護に泊まっているんだもの、その利を活かして山や森のエコ体験をしてみたい。
ちょっと調べてみただけでも、がじゅまる自然学校、イキワク・ウェルネス・コーポレーション、未来塾ライトブレインズ、ポレポレ探検隊、屋我地エコツーネット、モンパの木・・・名護にはよりどりみどり。中でもライトブレインズはいつも本部町に行く途中、事務所を目にするので親近感も湧いている。
沖縄に出発する前、ひとつひとつネットで調べてみて、最終的にこれはと気になったのが自然体験モンパの木というショップだった。
他がそこそこ大きな組織で団体客を相手にするイメージであるのに対し、モンパの木は規模が小さく家族という小さな単位で申し込むのに適している気がしたのだ。
さらに「夜の探検ツアー」というのがあって、これに惹かれた。
元々夜の方が様々な生き物の出没率が高いことは判っているが、勝手の分からない個人では夜に探検になんて危険で行かれないし、知識がなければ暗闇で動物に出会ったとしてもなんの動物だかさっぱり判らないだろう。こういう体験こそ専門ガイドに案内してもらうのが良い。
それに料金がとても安い。大人2,000円、小学生1,000円だ。
これを試してみて、気に入れば次の機会にもっと本格的なエコツアーを申し込めばいいじゃないか。
本当は沖縄出発前に申し込みを済ませれば良かったのだが、いろいろばたばたしていてそのままになってしまった。
10日間滞在するのだからどこか空きが有ればそこに入れてもらい、空きがなければ今回は諦めるぐらいの気持ちだった。
一応今朝、モンパの木のサイトで各ツアーの空き状況は確認している。
第一希望日の明後日はまだ空きになっていた。
携帯からモンパの木に電話をかけた。
「はい、もしもし」
ショップなのに自分から名乗らないので、何となく個人の家に電話を掛けたような印象を受けた。もしかしたら個人の電話と共通なのかもしれない。
20日の夜の探検ツアーに参加したい意向を伝えると、電話の向こうは逡巡していた。
「19日と20日はもういっぱいなんですが・・・えーと、何名さまですか?」
「四人です。大人二人、小学生二人」
「判りました。お受けします」
後から考えると、私たちが予約を入れなければこの日は休日だったのかもしれない。まもなく学校が夏休みに入ってトップシーズンを迎えれば休み無しになるだろうから。
そう思うとちょっと申し訳ないことをしたかもしれない。
夜の探検ツアーに必要なものは虫除けと各自の飲み物。そして運動靴だと言うことだった。
「サンダルしか無いんですが・・・」
「ビーチサンダルじゃなくてかかとのあるタイプですか? そうしたら靴下をはいて下さい。ムカデとか出ることもありますので」
ム、ムカデですか。
靴下をはいていても、足を登ってきたらちょっと嫌だな。