17.ゾウガメ牧場
狭い坂道を登ると、受付があってゾウガメコーナーとヤギやポニーのいるコーナーに別れている。
みんなゾウガメの方に入っていく。
料金を払うと餌になる葉のついた枝を一本くれる。
大人は餌をやるだけだが、子供ならカメの背中に乗って餌をちらつかせながらカメを歩かせることもできる。
檻の中にいたゾウガメは六匹ほどだろうか。
なるほど浦島太郎を乗せたカメのように巨大だ。
柵の奥にもまだ何匹かいる。
カナは早速大きな一匹にまたがった。
レナはちびすけだったので、係りの人が一番小さいカメのところに案内してくれた。小さいと言ってもまたがって足が地面に着かないくらいには大きい。
誰が最初に考えたんだろうね、子供たちをカメに乗せようなんてさ。
カメたちは大人しく、餌をめがけて黙々と歩く。
カナはカメに餌を取られてしまった。
レナは上手に餌の枝を揺らしながらカメを歩かせている。
入園客が立ち入る柵とは別に区切られた柵があり、そこには甲羅にバッテンのガムテープが貼られたカメがいた。
たぶん弱っているとかの理由で、乗せるのを休止しているカメなんじゃないかと思うが、そのバッテンはあんまりでは?