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美ら国訪ねて
*子連れ沖縄旅行記*

9.灼熱のオキちゃん劇場



 シアターの後はジンベエ・マンタコーナーを通り、土産物屋を一回りして水族館を出た。
 空模様は相変わらず。
 遠雷もまだ聞こえる。
 まもなく11時の回のオキちゃん劇場がスタートする。
 水族館の次はイルカショーにしよう。
 実は海洋博公園では夏休み中の土日、イルカに触ることの出来るプランなども行っている。
 沖縄のいくつかの施設でも6千円なにがしか出せば、イルカと触れ合える場所などもあるのだが、何しろこの海洋博公園は太っ腹にも無料だった。
 そのかわり小学生以上という年齢制限があり、葉書による事前抽選方式だ。
 レナは無理でもカナだけでもと、一応葉書は送ってみたが、残念ながら落選。
 もちろん今日は土日ではないのでイルカと遊ぶプランはやっていないが、せめてもショーは見ていこう。


オキちゃん劇場のイルカプール イルカプールの向こうにエメラルドビーチ


 オキちゃん劇場はさっき書いたように2度目だ。
 あの日はよく晴れていて、ぎらぎらじりじりと南国の強い日差しが照りつけていた。
 何も遮るものがなかったので、パンフレットを小さかったカナの頭上にかざして、サンシェード代わりにしていたことを覚えている。
 そして1歳だったカナは、家に帰ってから沖縄のことをほとんど覚えていなかったが、長いことイルカのジャンプだけは覚えていて、「イルカさんがピョーンって跳ぶんだよ」と何度も教えてくれた。
 それくらい印象的なことだった。

 丸い大きな水槽を半円形に囲むようにすり鉢状の座席がある。
 最初はよく見えるように一番前に座ってみたが、時々雲の間から顔を出す太陽が強すぎる。
 少しでも日陰になるように後ろの方へ移動した。
 オキちゃん劇場の屋根はほんの一部分しかついていない上にメッシュ状になっていて、大した影は作り出してくれないのだが、それでもあの日の思い出のように、直接日差しを浴びるよりはマシだった。
 パパが買ってきてくれたジュースを飲みながらショーが始まるのを待つ。
 いつの間にか他の座席もみんないっぱいになっていた。


曇っている分、湿度は高いし、頭上だけ晴れてきて直射日光も強い 振り返るとレストラン棟が見えている




4-10.イルカショーと噴水へ続く


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