1.早起き組と遅起き組
四日目 2005年8月26日(金)
「じゃ、行ってくるから」
そう言って、パパは無情にもカナの手を引いて出かけてしまった。
朝の6時。
寝ぼすけレナはまだ夢の中。
旅先でのパパは嫌になっちゃうほど早起きだ。
平日は目覚まし代わりの携帯アラームが鳴ると「もっと寝ていた~い」と言い、休日は誰より遅起きを楽しんでいるパパなのに。
しかも今回は沖縄に行く二日ぐらい前から6時前に起きていた。
沖縄には時差はないから、出発前から調整しなくていいんだよってば。
ついでにカナも早起きだ。
彼女は体内時計が狂うことなく、休日も平日も家でも旅先でもきっちり目を覚ます。
パパは勝手に自分とカナを早起き組と名付け、朝の散歩に行くことに決めていた。
ところが本部町のビーチリゾートに建っているとばかり思いこんでいたウィークリーマンションは、来てみたら名護の町中だった。
軽く朝の散歩としゃれ込むには、ビーチまで距離があった。
それでもパパは諦めない。
車で21世紀の森ビーチまで出かけることにしていた。
21世紀の森公園の駐車場は早朝は開いていないから、昨日のうちに朝停められる場所までチェック済みだ。手回しの良いことで。
彼にとって予想外のことと言えば、遅起き組のママが6時前に起きてしまったことぐらいだろう。
「何で起きたの?」
「何でって!!
朝早くからぱたぱたと出たり入ったりする誰かさんのせいに決まってるじゃないかっっ」
だいたい普段の休日はよっぽど私の方が早く起きている。
その遅起き組って呼ぶのやめてくれない?