7.ドラゴンフルーツ
喉が渇いたというレナをなだめながら、ようやく部屋に戻った。
まだ2時過ぎ。
ひとつやふたつ、観光できる時間だけど、もうがつがつせず今日は部屋で休むことにした。
7階の窓から見る名護湾の海がきらきらと光を反射して光っている。
子供たちはベランダで拾ってきた貝殻を洗い、パパは冷房の効いた部屋でテレビをつけた。
ニュースでは台風情報を流している。
益々本州に近づいた巨大な台風11号は、まもなく東海から関東に上陸する模様。
テレビには大荒れの千葉の海が映っていた。
昨日、恩納村のおんなの駅なかゆくいで買ったドラゴンフルーツを切ってみる。
どう考えても四つで200円は格安だ。
ドラゴンの目に似ているからドラゴンフルーツと名付けられたというトロピカルフルーツで、綺麗な濃いピンクで薔薇の蕾のような形をしている。
皮を剥いてさくっと切ってみると、中は白く胡麻のような黒い種がつぶつぶと入っていた。
ドラゴンフルーツには赤肉と白肉と他に黄色いのもあると言う。これは白いドラゴンフルーツだった。
味はさっぱりした感じ。種のつぶつぶした感触も含めてキウイフルーツに似た味わいだ。
果物嫌いのパパは一口食べて、「無理」。
子供たちはいたく気に入ったようで、あっと言う間に皿は空っぽになってしまった。