7.那覇到着
東京を発つのが夜の便に決まって、那覇着が夜10時半になるから、初日の夜は那覇のホテルを予約した。
旭橋の東横イン。
那覇空港から那覇市内、首里までを結ぶモノレール、ゆいレールの終電が11時半。旭橋駅は空港駅から数えて五つ目だから便利だと思った。
ところが一時間半近く遅れて空港着が11時40分となると、どこをどうやってもゆいレールには乗れない。
またまたパパはキャビンアテンダントを呼んで聞いてみた。
ゆいレールが終わっちゃったらどうやって行けばいいだろう?
アテンダントは申し訳なさそうに「タクシーで10分ぐらいですから」。
タクシー、もし混み混みだったらどうしよう。
だってこの飛行機に乗っている人、ほとんどタクシーしか移動手段無いだろうし。
10時を過ぎて11時を過ぎて、興奮したカナとレナはまだ寝なかった。
いつもなら9時には就寝。夏休み中はどうしても遅寝になりがちで、それでも9時半には必ずベッドに入っていたのに。
周りを見ると余所の子供たちはもうみんな眠っている。夏休みの沖縄行き、家族連れがとても多い。
何故か11時過ぎてからスクリーンではポケモンのショートムービーが上映された。
テレビでさんざんCMを打っていたけどこれって復路でしか上映しないんじゃなかったっけ。
もしかして遅れたサービス? とも思うけど、それならそれでもう少し早く上映すればいいのに。
うちの子供たちは喜んで見ていたけど、もう寝ちゃって見られない子供が多かったはず。
飛行機が下降を始めて、窓の外に那覇の夜景が見え始めたところで、急にレナが「寝て良い?」と言った。
「いいよ」
答えた次の瞬間にはもう彼女は寝ていた。よっぽど眠かったらしい。
まあレナが寝てしまうのは飛行機が遅れなくても計算のうちだった。
パパが荷物を持って、ママはレナを抱きかかえる。
着陸してようやく機内から解放されると、那覇の空港はなんだか馥郁とした香りがしていた。
タクシーが行列だと嫌なので、二手に分かれることにした。
パパはカナと預けた荷物が出てくるのを待つ。
ママはレナを抱きかかえて先にタクシー乗り場へ。
乗り場は既に長蛇の列だったが、待っているタクシーの数も半端ではなかった。
荷物も一番に出てきたとかで、四人揃ってすぐに乗れた。
夜中だというのに市内の交通量は多い。
それでも旭橋の東横インまで10分とかからなかった。